ITの最近のブログ記事

私はだいぶ前からiPodを使っていて、つまりはiTunesで音楽データを管理しているのですが、最近はAndroidスマホを使っています。外出するのにiPod Touchとスマホという同じようなものを2個持ち歩くのは如何なものかと思っていました。iPhoneにしろという声もあるでしょうが、スマホでFeliCaの機能をよく使うのでその選択肢はありません。

iTunesの曲をAndroidで聴くにはどうしたらいいか。多分やり方は色々あるのだろうけど面倒くさそうだなという先入観が先に立っていました。

ところが、Google Play Music を使えばそれができそうだと最近ようやく分かりました。

Google Play Musicは有料聴き放題サービス(だけ)ではない

Google Play Musicは最近テレビCMもよくやっているのですが、そのせいで、定額制の音楽聴き放題サービスなのだと思っていました。そして、別に興味ないやと思っていました。そのサービスはもちろん提供されているのですが、実はそれだけではなかった。

私にとってのGoogle Play Musicの要点をあげると下記2点です。

  • 基本機能は無料で使える (聴き放題サービスは有料)
  • 自分のPCに持っている音楽データをサーバにアップロードしてスマホなどで聴ける

これを使ってPCに入っている曲をスマホで聴けるようにすれば、わざわざスマホとiPodを一緒に持ち歩かなくていいのではないか。

Google Play MusicにiTunesの曲をアップロードしてみた

Google Play Musicのウェブサイトにアクセス、Googleアカウントでログインしてアップロードできます。ミュージックマネージャというアプリをダウンロードして実行することになります。私はMacで行いました。

ウェブサイトの案内に沿っていけば困るようなことは何もないので、手順の説明は省略します。というか、あまりにスムーズすぎたので何も覚えていません。

今回アップロードしたファイルには、iTunes Storeで購入したもの、CDからリッピングしたもの、Moraで購入したものが含まれます。いずれもiTunesで管理していたもので、問題なくアップロードできました。アップロード元を選ぶ際に、iTunesで管理されている音楽を指定することができます。

ただし、DRMのかかっているものはアップロードできません。私の持っているものでは、何年も前にiTunes Storeで購入したものがDRMつきなのでアップロードできませんでした。これはAppleのiTunes Matchというサービスを使えばDRMフリーのファイルに置き換えられるそうですが、iTunes Matchの利用には料金が発生するようです。

今後新たに曲が増えた時どうやって同期すればいいかという問題がありますが、ミュージックマネージャの環境設定で「iTunesに追加した曲を自動的にアップロード」という設定が可能です。これにチェックをつけておけば、何もせずともサーバにアップロードされます。

Androidスマホで聴いてみる

あとはスマホ側でアプリを使ってアップロードした音楽を聴いてみます。Google Play Musicのアプリは私のスマホに最初から(?)入っていました。

このアプリは基本的にストリーミングで聴けますが、外出先でそれはつらいので、あらかじめダウンロードして聴くこともできます。Wi-Fi接続時のみストリーミングとか、ダウンロード済みのものだけ表示するという設定も可能です。

iTunesのプレイリストも取り込んでくれるし、iTunesに新しく入れた曲も先の自動アップロードの設定で勝手にサーバに取り込まれます。(スマホ側では「更新」ボタンを押すと同期できる模様)

割とあっさり、理想的な環境になりました。こんなに簡単だったとは!

イヤホンが問題だったりする

これでiTunesの曲をいつでもスマホで聴けるようになりました。が、実際の使用上、問題になるのがもうひとつありました。イヤホンです。

iPod Touch用のリモコン付きのイヤホンでは、リモコン操作で停止・再生、次の曲・前の曲への移動ができて、よく使っていました。同じことがAndroidスマホでもできるかどうか。

Android対応のイヤホンを買って試してみました。製品やアプリにもよるのかもしれませんが、私の試した組み合わせでは、停止、再生、次の曲へ移動はできたものの、前の曲への移動ができませんでした。うーむ惜しい。

アプリによる改善も含めて、イヤホンの件は今後の課題として試してみたいと思います。

ちょっと長い書名の本、『クリエイターが知っておくべき権利や法律を教わってきました。著作権のことをきちんと知りたい人のための本』(鷹野凌著、インプレス刊)を読みました。なぜいま著作権か、というと、他人の著作権を自分が侵害してしまう可能性も、また逆に自分の著作権を他人に侵害される機会も増えているからです。

なぜ読むべきか

「クリエイター」というと、絵を描いたり作曲したり小説を書いたりといった活動を思い浮かべるでしょうか。当然それらも含まれますが、当サイトのようなブログの文章であったり、あるいは私が時々紹介しているようなデジカメで撮影した写真、あるいはコンピュータのプログラム、そうしたものもれっきとした著作物です。当ブログをお読みの方の中にも、いわゆる「クリエイター」という肩書きでないとしても、そうした著作物を産み出す活動を趣味や仕事でされている方は少なくないと思います。

そして今時は著作物の生産にしろ配布・流通にしろ、コンピュータとインターネットが大きく関わっている。そうすると、著作権を思わず侵害してしまう可能性も、逆に自分の権利が知らないところで侵害される機会も、大変多くなるわけです。

だから、他人の権利を侵害しないためにも、また自分の権利を守るためにも、著作権の知識はとても重要です。

本書を読んでみて

表紙の絵の雰囲気のように、やわらかいノリで書かれているので、基本的な知識をすでに持っている人ならサクサク読めるでしょう。

といっても程度が低いということではなく、知らなかったことも色々載っていたので、読んでみるときっと新しい発見があるでしょう。本書によると著作権侵害の罰則は窃盗罪よりも重いのだそうですよ。出所明示義務違反が非親告罪というのも初めて知りました。

きちんと構成を考えて編集された本というのは全体像をつかむのにすぐれていて、その点では断片的な情報を捕まえがちなネット検索はまだ全然太刀打ちできないと思います。本に書かれていること全部を理解しないまでも「まだこの辺に自分の理解していないところがある」ということを認識しているだけで、適当なネット検索で理解したつもりになっているよりはずっと進歩したといえるでしょう。著作権についても、上映や演奏のように自分とあまり関係ない分野については私は正直きちんと理解してはいませんが、もしそういう方面に関わる機会があったら「この辺は要注意、詳しく調べるべし」というアラームが頭に上がるようにはなったと思います。そういうことが本を読む意味のひとつでないかと思います。

本書はインターネット時代らしく、他者に自分の著作権を侵害された場合、つまり無断転載への対処についても一章を割いて書かれています。相手に直接言ってみる、サービス事業者へ報告、GoogleへDMCA侵害申請、といった手段が書かれています。「サービス事業者」というのがちょっと分かりにくいですが、レンタルサーバなどの事業者のことでしょう。実は今の私はここに一番興味があります。この前も書きましたが「旅行キュレーションメディア」による著作権侵害、写真の無断転載、パクリの問題です。

関連:

おわりに

著作権を知ることは結局、自衛のために必要なのだと思います。自分の権利が侵害された場合の対処も当然ありますし、さらには、自分が他者の権利を侵害しないこともまた、自らを守ることにつながります。

日本医師会のORCAプロジェクトによる「日医標準レセプトソフト」というソフトウェアでは内部でEUC-JIS-2004を使っているようです。このソフトウェアは全国の1万5千を超える施設で使われているとのことです。

拡張漢字(JISX0213:2004)の使用」というページでJIS第3第4水準漢字を使用する方法について書かれています。外部とのやりとりにはUTF-8を使うようですが、内部でEUC-JIS-2004 (EUC-JISX0213)を使うところがあり、適宜変換していることが説明されています。

どうやら元々はEUC-JPが使われていたように思われます。データフォーマットやプログラムにおいてEUC-JPとの互換性を保ちつつ使える文字を拡張するのにEUC-JIS-2004は良い方法です。符号の構造が同じで、バイト数も変わりありません。JIS X 0213の符号化方式ですからもちろん第3第4水準漢字が全て使えます。これは重要なことです。

説明を読むとWindowsの非標準のUnicode変換によって問題を生じることがあるようです。波ダッシュ問題ですね。JISで定義されている標準の対応関係を用いれば問題ないようです。

説明にはEUC-JISX0213と記されていますが、JIS X 0213:2004、また「11,233文字」とあるので2004年版のEUC-JIS-2004ですね。iconvなどではJIS X 0213:2000のEUC-JISX0213の名前をそのまま2004年版のEUC-JIS-2004にも用いていることがあります。

アップルのバックアップ装置兼無線LANルータのTime CapsuleをNTT東日本のフレッツ光とともに使う設定をしたので、後日のための備忘もかねて注意点を記しておきます。(なお、Time Capsuleはつい最近発表された802.11ac対応のやつではなく、そのひとつ前のモデルです)

試した構成はこうなっています: フレッツ光の終端装置PR-400NEからLANケーブルでTime Capsuleにつないで、そこからMacとLinux PCそれぞれにLANケーブルでつないでいます。無線LANはTime Capsuleの機能を利用して、スマートフォンやタブレットから利用するようになっています。

設定はAir Macユーティリティで行いました。フレッツ光の終端装置についてくるCD-ROMにはMac用の設定ソフトも入っていますが、Time Capsuleと一緒に使うような設定が可能かどうかは知りません。あらかじめWindows PCと終端装置を直接接続して、付属のCD-ROMからインターネットが使える設定は済んでいます。

Air Macユーティリティの設定でポイントと思われたのは下記の2点です。ここが最初よくわからなくて手間取りました。

  • 「インターネット」の設定で接続方法を「DHCP」に設定。(PPPoEじゃない)
  • 「ネットワーク」の設定でルーターモードを「切 (ブリッジモード)」に設定。(DHCPじゃない)

(私はネットワークの設定もTime Capsuleもフレッツ光のことも詳しく知らないので、なぜそうなのかと聞かれても答えられません。あしからず)

無線LANの設定は、「ワイヤレス」の項目から普通に(?)やればたぶん困ることはないと思います。

Evernoteはあまりヘビーに使いこなしているわけではないのですが、この前リマインダー機能がついたというニュースには興味を引かれました。

ただリマインダー機能が想定している使い方と自分の使い方とは少し違うなという感じがしました。以下、もしかしたら勘違いを含んでいるかもしれませんが、あまりヘビーユーザーでない利用者が感じたことという意味でお読みいただければと思います。

Evernoteのリマインダーは、ノートをリマインドするという使い方になっています。ある日が来たらあるノートについて通知する、ということです。

ここには、ノートひとつがタスクひとつという考え方があるように考えられます。

それがEvernoteの想定なのかもしれませんが、私の使い方では、ひとつのノートの中に小さなタスクのリストが並んでいて、それを処理していくことでひとつのまとまった意味のある仕事を完了するという方がしっくりきます。したがって、リマインドされるべきはノート全体じゃなくて、ノートの中の箇条書きひとつといった粒度です。

例えば、旅行の予定を立てるとしたら、旅行ひとつがひとつのノートになって、その中に箇条書きで宿の予約や航空券の購入や新幹線の予約などが並ぶ。それを順次実施して、終わったら印を付けて適宜結果を記していく、というわけです。

まあこれは、私の使い方がもしかすると特殊なのかもしれません。もしかするとノートブックがひとつのプロジェクト(上の例では旅行)に、ノートがひとつの実施項目に相当することが想定されているのかもしれません。

ただ、ノートの編集画面ではToDoリスト用のチェックボックスがわざわざ用意されているくらいですから、私の使い方が間違っているというようなことではないんじゃないかと思います。

むしろ、その用意されているToDoリスト用チェックボックスにリマインダー(というかアラーム)を設定できればいいのではないか。チェックボックスの属性として、項目の開始日と締め切り日を設定できるようにしておく。あと、関連情報(URLや他のノート)や成果物(URLや他のノート)へのリンクなども属性として設定できるといいかもしれない。

それで、自分のホームページ(のような画面)では、全ノートを通じた「直近のタスク一覧」が見られれば良い。近々開始するべき項目や、締切の近い項目が一目で分かればいいわけです。(これは実は、Emacs上のhowmというツールでは実現されています。私の頭にあるのは「オンライン版howm」だといえば分かる人には分かるかもしれません。「howmは『Wikiもどき』なんだから、それって要するにWikiなのでは?」というツッコミがくるかもしれませんが)

こういう仕方で設定できた方が見通しが良くて使いやすいんじゃないかなあ...と思いますが、はてさて。もうしばらく試行錯誤してみましょうか。

当サイトで新しいデータを公開しました。

全国地名のローマ字表記データ」というものです。

北海道から沖縄まで、全国の都道府県、市区町村等のローマ字表記をCSV形式にまとめています。

実際にはこれは、先日公開した「長音符号つきのローマ字地名辞書」の元になっているものです。

ですので、ヘボン式・訓令式のそれぞれについて、JIS X 0213で追加された長音符号つきのアルファベットが、きちんと使われています。

このデータが何に使えるのか分からないと思われる方も多いかと思います。とりあえず、こういうデータがあるということを頭の中にしまいこんでおくと、いずれ使いみちを思いつくかもしれません。

もし、何かに使ったりしたら、こんなふうに使えたということを教えていただけると嬉しいです。

例えば、終了という意味の英単語といってまず思い浮かぶのは、中学生どころか小学生でも知っている「end」ではないでしょうか。しかし、ソフトウェアを「終了」するメニューやコマンドは普通、「exit」や「quit」といった言葉が使われます。決まり文句であるわけです。

日本人は英語が苦手だとよくいわれますし、それは実際そうなのでしょうが、こうした決まり文句を知っているだけで解決する問題も少なくないのではないでしょうか。

西野竜太郎『アプリケーションをつくる英語』(達人出版会)は、アプリケーションソフトウェアにおけるこうした英語の決まり文句を教えてくれる本です。

アプリケーションのユーザーインタフェースやメッセージに使われる英語について、こういうときはこういう言葉を使うという、定石というべき表現が解説されています。ソフトウェアを開発する人には、ぜひ活用してほしいと思います。

ログイン画面に何と表示するのか、入力フォームのラベルや注意書きは、エラーメッセージをどう書くか......など、場面に応じた表現が、例文つきで紹介されています。こういうのは、悩むよりも例文を真似した方が早いですね。

単に英語の一般的な意味や書き方だけでなく、著名なOS等で使用されているスタイルについて解説されているのも参考になります。例えば、入力値が間違っているときのエラーメッセージとして「illegal」という表現が使われることがありますが、あるベンダのガイドではこの言葉を避けてincorrectなどの言葉を使うよう推奨しているということです。また、単語の先頭を大文字にするcapitalizationの規則など、普段あまり気にしないようなところ(しかし英語に慣れた人には気になるところ)の説明もなされています。

英語が苦手な人はもちろん、英語をよく話す人にとっても、ソフトウェアにおける標準的な言い回しやユーザーインタフェース上での表記のスタイルを知るために有益だと思います。

本書は電子書籍として、PDFとEPUBのフォーマットで提供されています。ですから、PCの上で、EclipseやEmacsといった開発環境を開いているのと同じ画面で、参照や検索をすることができます。これはとても便利ですね (紙で読みたければ、紙版がインプレスジャパンから発行されています)。DRMがかかっていないので、書籍が自分の端末から遠隔消去されてしまうということもありません。購入者の情報がファイルに埋め込まれるソーシャルDRM方式なので安心です。

個人的なことですが、達人出版会は私の学生時代の先輩がやっている会社なので、私情の面からも(?)応援したいと思います。

こちらのITmediaの記事も興味深いです:

先日楽天が電子書籍端末のkobo Touchを発表して世の耳目を集めています。電車の中にも広告をうつなど、派手に打ち上げたという感じで、注目されたという意味では成功しているのではないでしょうか。

報道をいくつか見て分かったのは、ハード的にもコンテンツの品揃え的にも、Sony Readerと大差ないだろうということです。

【2012年8月2日追記: と書きましたが、コンテンツの品揃えは現時点でSony Readerに大きく劣後しています。下記には、楽天の発表に基づいて開始時点で3万点程度と書きましたが、実際には開始時に1万9千以下(ITmediaの報道)、しかもその後7月中には必ず3万点揃えると公言したにもかかわらず、8月に入った時点でも日本語蔵書数は2万3千点程度(日経の報道)、そのうち青空文庫の無料作品を除くと約1万点、更に漫画作品を除くとその半分程度とのことです。ソニーのReaderStoreは6万を超えている由(前掲ITmedia報道)。両者のストアを人気の著者名で検索して比較してみると、私の主観ではkoboのストアはReaderStoreの5分の1程度でした。ReaderStoreとて十分とはとてもいえませんが、それより大きく劣る状態でサービス開始に踏み切り、発表する数字も殆ど詐称に近く、また周知の通りソフトウェアの不具合やそれについての経営陣の発言も相まって、大きな失望を引き起こしました】

同じ6インチの電子ペーパーを使っていて、タッチパネルを採用し、サイズも重さも大体同じ。Wi-Fiで通信可能。内蔵メモリも両方とも2GB (kobo Touchについて1GBとしている報道もありました)。マイクロSDカードが使用可能なのも同じです。

詳しく記すと、サイズはkobo Touchが114mm×165mm×10mm、Sony Reader PRS-T1が幅110×高さ173.3×奥行X9.6mmと、ほぼ同じです。重さはkobo Touchが185g、Sony Reader PRS-T1が168gと、Sony Readerの方がやや軽い。まあ、大体同じと思って差し支えないでしょう。

日本語コンテンツの点数も開始時点ではReader Storeと同程度 (もしくはより小さい) のようです。

Sony Readerを知らない人が、kobo Touch特有の機能だと誤解しているのはこんなところでしょうか。

  • 軽い! →Sony Readerの方が軽い。
  • PDFも読める、便利そう! →Sony ReaderでもPDFを読めます。
  • これからはEPUBだ! →Sony Readerも日本で発売した当初から対応しています。

コンテンツについては楽天の発表では250万冊といっていますが、ほとんどは日本語以外のもので、それが役に立つ人もいるでしょうが、現在切望されているのは日本語コンテンツです。日本語書籍は開始時点で3万点程度と、Reader Storeと同程度以下の規模のようです。150万冊を目指すという発表もありますが、あくまでも「これから目指したい」という話にすぎません。

結局、kobo Touchが新しいのは7980円という価格設定だと思います。

私から見てSony Readerの方が明らかに優れていると思える点は、

  • XMDFと.bookに対応している: これらのフォーマットを批判する人もいるでしょうが、現時点で日本語コンテンツの資産がそれなりにあるので、全く無視してかかるのは得策でないと思います。DRMフリーのXMDFを購入して読んでいる人もいます。
  • ページめくりボタンが本体の下の方にある: 同じ位置にホームボタンしかないkobo Touchは、ページめくりは画面タッチのみでやる方針なのかもしれません。実際Sony Readerを使っていると、その時々の姿勢や持ち方に応じて、物理ボタンも画面タッチも両方使います。本体の下の方を持っているときは、ちょうど物理ボタンが親指で押せる位置にくるので、こちらを使う方が便利なのです。

報道からではよく分からない点としては、どれくらいオープンなのかということです。

たとえば、楽天以外のストアが使えるのかとか、専用ソフトを使わずにLinuxのPCからUSBでつないで書籍データを出し入れできるのかといったことです。Sony Readerはそのへんは割とよくできています。が、Readerに限らずkoboやkindleのような他機種でも、そういうところまで調べて報道してくれるところはまずないのがなかなか分かり辛いところです。

【追記】少々うがった(?)見方としては、スラッシュドット・ジャパンの書き込みが参考になるかもしれません。Sony Readerについてよく知らない方は「Sony Readerが誤解されがちなこと」も参考になるでしょう。

電子書籍が話題になるよりだいぶ前から、辞書は電子化が進んできました。電子辞書はもうすっかりお馴染みになっています。

電子辞書というと、手帳ぐらいの大きさの専用機として作られているものを思い出す方が多いかもしれません。そういうのも勿論便利です。紙の本を読んでいるときに言葉を調べたくなったら、私も専用の電子辞書を使います。

一方PCで文章を書いているときにはそうした機器を使うのは便利とはいえません。そうしたときは、PCのハードディスクにインストールされている辞書を使います。この記事で話題にしたいのはそちらの形態の電子辞書です。

私はメインに使っているデスクトップのLinux機に、CD-ROMの形で購入した国語辞典と英語辞典を入れて、何かあるとすぐに検索できるようにしています。Linux用にはEBViewというオープンソースの辞書検索ツールがあり、私はこれを活用しています。EBViewはEPWINGというJISにもなっている業界標準の辞書フォーマットを扱うことができます。EPWING形式の辞書データを複数インストールしておけば、それらの辞書をいっぺんに引くことができます。Windows用にも、DDwinやEBWinといったEPWING対応の辞書ツールがあります。

つい先日、久しぶりに新しい辞書を購入してインストールしました。広辞苑第六版です。広辞苑は以前からEPWING形式で辞書を提供してくれているので助かります。EPWINGであれば、Linuxで使えますし、検索ツールも複数あります。アプリやOSが変わってもデータはより長く生き延びると期待できます。

しかしながら、この頃は、EPWING形式で格納されたCD-ROMの辞書があまり供給されない傾向にあるようです(また、EPWINGまわりのフリーなソフトウェアの環境整備も、最近はあまり活発でない印象を受けます)。これは困ったことだと考えています。

どうしてなのかはよく知りませんが、考えるに、先に述べたような専用機としての電子辞書や、PCに同梱される形での供給が増えて、CD-ROMやDVD-ROMの形で販売する重要性が以前よりも減っているのかもしれません。携帯電話やタブレット機器に国語辞書や英和・和英辞典が搭載されていることもあります。はたまた、ウェブのポータルサイトから無料で検索できるようにしている辞書もあります。

また、CD-ROMを出している会社であっても、共通フォーマットのEPWINGでなく、独自フォーマットを用いているところもあります。こうした場合、辞書の検索には専用ソフトが必要になります。これはUNIX系OSの利用者には大変困ったことです。大抵の場合WindowsとMacだけしか対応しないからです。また、Windowsであっても、専用ソフトを用いる場合は他のEPWINGの辞書と一緒に検索することができず、不便です。

専用ソフト込みで販売したい企業にはそれなりの理由があるのかもしれませんが、利用者としては嬉しいことではありません。利用者にとって本当に価値があるのは、お仕着せの検索アプリではなく、辞書データそのものなのです。

独自フォーマットを専用ソフトで扱う形態だと、辞書の寿命がソフトの寿命に押さえられてしまうという問題もあります。Windows 95専用に作り込まれたソフトがあったとしても、Windowsが98、XP、Vista、...と変わるうちに、実行できなくなり、開発元のサポートもなくなったら、内蔵されているデータも埋もれてしまうわけです。データの中身は10年20年と通用するものかもしれないのに、アプリもろとも日の目を見なくなってしまうのは勿体ないことです。

EPWINGのフォーマットそのものが良くできているかどうかは、私はよく知りません (外字がしばしば使われているので、第3第4水準文字コードへの対応は課題の一つでしょう)。それはそれとして、特定企業の占有物でない、誰でも使えるフォーマットであるということが、肝心なことです。

共通フォーマットたるEPWING形式の電子辞書は、確実に、知的作業に資するものです。辞書を供給される方には、是非ともEPWINGでの提供を考慮してほしいと私は強く願います。いい辞書は積極的に購入して買い支えますから!

【参考】

前回の記事(「パスポート式ローマ字の憂鬱」)は少々愚痴っぽい終わり方になってしまいました。あまり後ろ向きな事をいっていても仕方ないので、どうすれば状況を良くできるかを考えてみましょう。

地道なようですが、きちんとした日本語のローマ字綴りを実践する人が増えるということが必要だと思います。そのためには、綴り方についての知識が普及することも必要だし、情報機器でローマ字を入力・表示するための環境が整備されることも必要です。

ローマ字の綴り方の知識というのは、小学校で誰もが教わっていることです。ですから、本来は、あまり心配する必要のない筈のことです。

ローマ字の正しい知識があったとしても、パソコンや携帯電話で「ō」や「ū」のような文字が入力できない人が少なくないのではないでしょうか。小学校で教わるローマ字を簡単に入力する手段が備わっていないのは、情報機器を提供する側の怠慢といわれても仕方ないのではないかと私は思います。

そこで、当サイトで以前からご紹介している第3第4水準辞書を使うと、母音aiueoの上に ^ や ¯ の付いた字を入力できるということを、ここではご紹介しましょう。

ATOK用Anthy用の第3第4水準辞書を使うと、例えば「A-」から「Ā」や「ā」に変換できます。同様に、「A^」から「Â」や「â」に変換できます。単に「A」だけからでも、これらのアクセント付きの文字に変換することができます。ローマ字仮名変換で入力している場合はAキーを押すとただちに「あ」に変わってしまいますが、シフトキーを押して大文字のAならば、普通は仮名にならないので、大文字のAから小文字のāなどに変換できるようにしています。Aだけでなく、OやUなど他の母音字でも同じです。

Emacs上のSKKでは、ATOK・Anthy用第3第4水準辞書の元になったSKK-JISYO.JIS3_4を使うよう設定しておくと、& キーを押してから、a- とタイプしてスペースキーを押すことで ā に変換できます。SKKのこの入力方法では大文字小文字を変換前の段階で区別できるので、A- からは大文字の Ā、a- からは小文字の ā に変換します。

こうして入力した長音符号付きのローマ字テキストは、第3第4水準文字コードであるUTF-8やEUC-JIS-2004、Shift_JIS-2004といった文字コードで保存できます。â や ū などの文字は、JIS X 0208にはありませんがJIS X 0213には入っています。ローマ字の正しい綴り方を可能にする意味からも、今後は常にこうした第3第4水準文字コードを使うのが良いでしょう。

ちなみに、iPod TouchやiPhoneのiOSでは、英語キーボードの「A」のような文字を長押しすると、符号付きの ā や â などが入力できます。

さて、上では仮名漢字変換辞書を使って入力する方法を示しました。â などの文字が入力できない状態から見れば大きな進歩ではありますが、頻繁に日本語のローマ字綴りを入力しようとしたら、かなり煩わしいことは否めません。本格的にローマ字日本語を入力するには、より簡単な入力方法の使えることが望ましいことを、申し添えておきましょう。

なお、こうした長音符号の要らないローマ字の綴り方として、99式ローマ字というのがあります。あまり有名とは思われませんが、利便性という点で一考の価値はあるでしょう。

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