ITの最近のブログ記事

以前、北海道の石狩市がデータセンターを誘致している話を書きましたが、それが具体化してきたようです。レンタルサーバで有名なさくらインターネットが石狩市に大規模データセンターを設置するという報道が流れました。

大変に気合の入ったプレスリリースが出ているので、ニュース記事だけでなくそちらもお読みいただくと面白いと思います。

来年の秋に竣工予定とのことです。

石狩の優位性として、災害の少なさ、土地の安さ、寒冷な外気を利用可能ということが挙げられています。災害が少ないというのはあまりピンとこない人がいるかも知れませんが、北海道のあのあたりは地震が少なく(勿論程度問題ですが、関東よりは確実に少なく規模も小さい)、台風被害も少ないのです。

データセンターにとって致命的なことではないかもしれませんが、石狩の欠点は鉄道路線がないことだと私の視点からは思います。以前から路線建設の構想だけはあっても遅々として進んでいません。この際、一気に、発寒あたりからJRの線路を延ばしてしまってはどうでしょうね。路線の案が3つくらいあって揉めていたように記憶していますが、たとえベストでない選択をしたとしても、何も作らないよりはベターだと思います。

スマートフォンの販売が増えてきました。しかし、普通の携帯電話で利用可能なサービスがスマートフォンでは利用できないことがあるので、注意が必要です。

例えば緊急地震速報。大きな地震の初期微動を検知して地震がくることを知らせる仕組みです。最近のNTTドコモやauの携帯電話なら、受信することができます。通常の電話やメールの着信とは異なる扱いになっています。

1年ほど前に、私が寝ているときに実際に作動して、大きなアラームで起こされたことがあります。このときは幸いあまり大きな揺れでなかったのですが、緊急地震速報によってそれなりに時間の余裕がうまれるものだと実感しました。

今のところスマートフォンは、ドコモから発売されているものも含めて、緊急地震速報に対応していないようです。

緊急地震速報は、誤作動の例もありますが、実際に役立ったこともあります。私の知り合いからも、テレビで緊急地震速報を見て、子供を連れて安全な場所に移動したことがあるという話を聞きました。

日本にいる限り、地震から逃れることはできません。スマートフォンの購入を検討する際は、自分がその機械で緊急地震速報を受信できなくても良いのかどうか、考慮に入れると良いでしょう。

前の記事では高校で習う「対偶」を知らないと論理的な問題を間違うということを示しました。対偶というのは決して難しい概念ではないので、覚えておかないのは損です。

同じように、簡単だから覚えておくと良い知識として、ド・モルガンの法則というのがあります。誰にとって良い知識なのかというと、ソフトウェアの開発に携わる人全般です。高校の数学で習うので理系の人は全員知っている筈ですが、文系の学部を出てSEになったような人には、忘れちゃっている(もしくは最初から知らない)人もいるかと思います。

ド・モルガンの法則というのは集合や論理についての有名な法則です。

例えば、プログラミング言語で、こういうif文があったとします。

  if (!(a == b && c == d)) { ...

上の条件式は、下のように書くのと全く同じことです。

  if ((a != b) || (c != d)) { ...

最初の例では、!記号によって、ANDでつながれた括弧のなか全体を否定しています。それと等価なのは、2番目の例のように、それぞれの項を否定したうえでORでつないだ条件式だということです。このような変形が可能だというのがド・モルガンの法則です。

本当かどうかを確かめるのに、式に具体的な値を入れて考えてみると良いでしょう。例えば、aとbが違うときは、最初の例は a == b が成り立たないので、&&でつながれている括弧のなか全体が即座にfalseになり、それが最初の ! で否定されて条件文全体はtrueになります。一方2番目の例では、最初の括弧の中がtrueになって、|| でつながれている一方が成立するから、この時点で条件文全体もtrueになります。両者の式が同じ意味を表すことはこうして分かります。

ありがちな間違いは、最初の例を変形するのに、下のようにしてしまうことです。

  if ((a != b) && (c != d)) { ...

否定を括弧の中のそれぞれの項に適用したときに、項をつないでいるANDをORにしなければいけないのに、それを怠っている例です。これでは、意味するところが最初の条件式と違ってしまいます。ド・モルガンの法則を知らないとこういう誤ちを犯しがちです。(実際私は、ド・モルガンの法則を知らないSEがこのパターンの誤ちを犯したのを目撃したことがあります。それでこういうブログ記事を書こうと思ったのです)

この法則を知ることが重要なのは、業務システムで使われる条件判断の式を定義したりメンテナンスしたりするような場面においてです。自分でプログラミングをしない人でも、システムの開発に携わっていれば、条件判断を定義したりする機会はあるでしょう。そんなときこの法則を知らないと、ちょっと込み入った条件式を定義するときに、誤った式を作ってしまいます。

ところで、上ではプログラミング言語的な書き方をしましたが、数学的に論理記号を使って書くと下のようになります。上の例との対応を確認してみてください。¬は否定、∧はAND (論理積)、∨はOR (論理和)の記号です。

  ¬(P ∧ Q) = ¬P ∨ ¬Q

同様に、下の式も成り立ちます。これもド・モルガンの法則です。

  ¬(P ∨ Q) = ¬P ∧ ¬Q

少し前に、オープンソースソフトウェアのライセンスについて調べる必要がありました。私は個々のライセンスについて詳しくないので、可知豊「ソフトウェアライセンスの基礎知識」(ソフトバンククリエイティブ)が役に立ちました。

代表的なオープンソースのライセンス、例えばBSDライセンス、Apacheライセンス、GPL、CPL、など、を、特徴によって分類することで、理解の見取り図を描きやすくなっています。

仕事などでオープンソースソフトウェアを利用する必要が生じた、でもライセンスって厳密に考えたことないや、なんか面倒くさそう、といった場合に役立つ一冊です。細かいことはライセンス自体にあたる必要があるでしょうが、その前におおよそのところを理解するのに良いでしょう。オンライン上には読者のためのサポートページもあります。

クラウド・コンピューティングの進展に伴って、データセンターを新設・拡大する動きがあります。なかでも目を引くのが、寒冷地への設置です。

データセンターでは機器を冷却する必要がありますが、この冷却にかかる電力はセンター全体の消費電力の3分の1程度を占めているといいます。冷却が効率的にできればそのぶん電力は少なくて済みます。環境にやさしいということです。

寒冷地に設置するというのはつまり、効率的に冷却するために、データセンターを寒冷地に置いて冷たい外気を利用するという目論見です。さらに、雪を使った冷却方法も考案されています。

北海道の石狩市ではデータセンターの誘致を進めています。先日12月14日には市議会で「石狩市グリーンエナジーデータセンター立地促進条例」が成立しました。税金の免除や設備への助成によってデータセンターを誘致するものです(関連記事「「グリーンエナジーデータセンター」誘致 石狩が推進条例 」)。

石狩市のウェブサイトにはデータセンター誘致の案内もあります。

石狩市は札幌の北隣に位置する日本海に面した街です。雪は多いです。というのは、日本海を渡ってきた水分を含む空気が冬の季節風によって直撃するためです。この豊富な雪を利用して、データセンターの冷却に使ってやろうというのが石狩市のプランです。

石狩市ではないようですが、日本ユニシスが北海道にデータセンターを新たに設置したというニュースがあります。(「日本ユニシス、北海道にDC構築 - 電力使用量は東京の6割強、PUEは1.19」)。日本ユニシスの発表を見ると札幌のようです。

このニュースによれば電力の効率を示す指標のPUEは1.19とのことです。記事にはPUEは2.0を切れば優秀と書かれています。城田真琴『クラウドの衝撃』によれば、業界団体の「グリーン・グリッド」の設定する目標値が1.6で、同書が優秀だとするHPの事例でも1.25なので、1.19というのは相当に優れているといっていいと思います(もっとも日進月歩の業界なので、2009年2月発行の同書の記述がいつまで有効なのか私には判断がつきません)。ニュースを読む限り日本ユニシスのデータセンターは雪を使ってはいないようですから、雪を使うタイプのものではもっと効率が上がるのかもしれません。