社会の最近のブログ記事

東日本大震災があって、東京一極集中がしばしば問題視されるようになりました。そうした問題意識が具体化されたようなニュースが、このところ立て続けに聞こえてきています。

アクサ生命保険は2014年11月、札幌市内に札幌本社を設立する。東京本社との2本社体制とし、東京から100人程度が異動、札幌は400人規模になる。人事や総務、資産運用など本社が備える各機能の一部を移管し、地震などの予期せぬ災害が起きたときに東京の本社機能を代替できるようにする。

大災害発生時の事業継続の観点から、本社機能を一部移すということです。さらに、アクサ生命だけでないことを示すのにこうも書かれています。

災害時の事業継続を目的に、コールセンターだけでなく本社機能までも道内に移す企業が目立ち始めた。間接業務受託大手のインフォデリバ(東京・港)は今秋、子会社のIBSの本社を札幌に移している。

札幌市ではこうした動きに対して補助金を出しているそうです。

札幌だけではありません。

パナソニック子会社で画像検索ソリューション業のPOOLIKA(プーリカ、東京・中央)は30日、旭川市内にオペレーションセンターを設置したと発表した。

(中略)

事業拡大やリスク分散を目的に自然災害が少なく、優遇制度が充実し、雇用環境も良い旭川市に新拠点を立地することにした。

こちらは本社機能ではありませんが、やはりリスク分散が意図されています。

わが国全体のリスク分散としては、やはり企業の本社が東京に集中し過ぎているのをどうにかする必要があると思います。大企業の本社数は東京は世界一で、アメリカ・ニューヨークの3倍近くもあるそうです。これをもって「東京すげー」という見方もあるでしょうが、アメリカとの経済規模の違いを考えれば、日本企業が東京に集中しすぎているという方が当たっているのではないでしょうか。

企業のデータセンターも東京やその近くに立地するケースが多いようですが、これもやはり地震等のリスクを考えると危ない。その点、北海道石狩市に大規模データセンターを作ったさくらインターネットは本社が大阪ですから、東京集中の是正という面ではいいのではないでしょうか。石狩データセンターは単に東京から遠くて土地が安いといったことだけでなく、電力や燃料のインフラが整っていたり、風力発電や太陽光発電の実験にも適しているそうです。

単に都心から離れた安全な広い土地で寒冷な気候、というだけの条件に留まらず、様々なインフラが整い、先端的なインフラ構築にも取り組める場所であることが石狩データセンターの重要性をますます高めることに繋がっている。

3.11という稀な大災害は、東京にとっての「その日」ではありませんでした。しかし、「その日」は確実に近付いています。それは下記の地図に不気味に示されています。

関東だけでなく、東海や近畿といった太平洋側の地方にも赤い色が広がっているのが目立ちます。これはあくまでも確率ですから、これらの地域全部が大地震に見舞われるという意味ではありません。確率であって、不確実なことなのですが、不確実なときには分散しておいて全部いっぺんに駄目にならないようにするのが賢明なやり方でしょう。

福島第一原発の事故以来、シーベルトだとかベクレルだとか、人生のどこかで聞いたことはある筈だけどすっかり忘れていた単位を意識しなければならなくなりました。かかる事故が発生した以上は仕方がない。

放射線というのはいつでも自然界にあるものだから、「あるか、ないか」の問題ではない。「どの程度」あるかを問題としなければなりません。

事故を起こした原発から放射性物質が飛んできても、単に飛んできたというだけでは、問題になりません。肝心なのはその量です。放射線を考えるときは、常に数字を見て判断しなければならないということです。それなしにはどんな議論も不毛です。

私はときどき、測定されている東京の放射線量をチェックしていますが、今のところ全く問題になる量ではありません。

多分、そのうち(既に?)書店の店頭には放射線について一般向けに分かりやすく解説した本が並ぶものと思います。そういう本を見て、どの程度の数値なら問題になるのか、よく考える必要があります。

ウェブサイトには専門家が素人の疑問に答えるものがあります。「専門家が答える 暮らしの放射線Q&A」というサイトはなかなか良いと思います。疑問があれば自分で質問を投稿することもできます。

原発の事故そのものについては、世界的な科学雑誌「ネイチャー」が提供するQ&Aが読みやすく、参考になります。これは日本語訳されたものですが、外国人に情報を提供するにはこの翻訳の元になったものを見せるのがいいのではと思います。

ウェブで出回っている情報の中には、大変誤解されているものもあるので注意が必要です。

その代表格は、ドイツ気象庁のシミュレーションでしょう。ドイツ気象庁と聞いて、日本地図の上を雲のように覆う絵が頭に浮かんで「あああれか」と思った人は、東北大虻川研のこの記事を是非見ておくべきです。問題のシミュレーションは、「ある時点で福島第一原発から放射性物質の放出があったとしたら」その後風に乗ってどう拡散するか、というシミュレーションにすぎません。現実の放射線量を意味しない図であることをよく念頭に置く必要があります。地図の絵だけ見て誤解しないように。

放射線を闇雲に怖がるのも良くないし、逆に無根拠に問題ないと思うのも良くありません。数字に基いて科学的合理性のある判断を下すことが何より重要です。

こういう事故があったときに被害者意識を持つのも良くないし、あるいは歪んだ加害者的贖罪意識を持つのも、現実の役に立ちません (ある種の政治的傾向を持つ人は他人の被害者意識や贖罪意識に訴えかけようとするので注意が必要です)。科学的・現実的な態度が求められます。

寄付について

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今回の大震災について、様々な募金が行われています。ここでは寄付金についてちょっと記しておきます。

以下の記事に、寄付したお金がどのように使われるかが説明されています。お金を寄付したいけど具体的にどのように使われるのかよく分かっていない、という人は、読んでみると役に立つと思います。

詳しくは上のリンク先を見てほしいのですが、大きく分けて、被災者への見舞金となるものと、被災地で支援活動を行っている団体への資金提供とがあります。どちらも必要なお金です。

前者の、被災者への見舞金・義援金は、後で被災者に分配されるものです。赤十字などの募金はこれにあたります。

一方、後者のものは、被災地で物資輸送や医療などの支援活動を行っているNGO・NPOといった団体の活動資金となります。支援活動を行っている団体は活動報告をインターネットで公開していたりします。活動実績を見て寄付先を決めても良いでしょう。

自分の寄付するお金が、上記のどちらに分類されて、どんな風に使われるのか、といったことを気にかけるのが良いと思います。

あと、いくら寄付するのか、という問題もあります。

お金の余裕のない人からの500円や1000円の寄付は感動的なものですが、ここで考えたいのは、平均かそれ以上の収入を得ている人がどうしたらいいかです。

上記の記事はGive Oneというオンライン寄付サイトのスタッフによるものですが、この寄付サイトでは「だれもが所得の1%を寄付する社会」の実現を目指すことをビジョンとして掲げています。例えば年間所得が500万円の人なら1年に5万円寄付するといったイメージです。目安として分かりやすい指標といえるでしょう。年間1%を毎年続ければ、一過性に終わらずに、長期間の復興にも役に立つことができます。無理ない範囲で長く貢献し続けるのが良いでしょう。

日本には寄付文化が根付いていないといわれますが、この震災をきっかけに少しでも変わればいいと思います。

また、糸井重里氏は「じぶんひとりを3日雇えるくらいのお金」を提唱しています。これも面白い考え方です。

前の記事で寄付の話が出たので、寄付に関係するWebサイトをいくつか紹介しておきます。興味のあるものを調べてみてください。

NPO/NGOが探せるサイト。Webサイトから直接寄付も:

難民支援:

地方自治体:

  • 札幌市 (奨学金、障害者支援、緑化等)
  • 越前市 (奨学金)
  • 鎌倉市 (奨学金、緑地保全等)
  • その他いろいろ

大学:

チベット関係:

奨学金と寄付

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先日テレビのニュースで聞いたのですが、このところの不況の影響で、奨学金への寄付が減っているそうです。

また、民主党の言っている高校の授業料無償化のために、もう奨学金は必要ないと思う人もいるのだそうです(関連記事「あしなが育英会:「奨学金不要」は誤解 「授業料無償化」で募金不調、遺児ら窮状訴え」)。

そういえば半年ぐらい前だったかにも、アメリカで教会への寄付が減っているというニュースを目にしました。

経済状況の悪いときほど、意識的に寄付を増やす必要があるのかもしれません。

寄付を募っている団体はWebサイトを設けて案内を出しているので、Web検索で「奨学金 寄付」などとキーワードを入れて探してみれば、関連する情報が得られるでしょう。(面倒くさがりの人のために、キーワードにGoogle検索へのリンクをつけました。クリックしてください)

寄付というのは「したほうがいい」とは思っていても自分の生活にとって緊急の用事ではないので、ついつい先延ばしになりがちです。永遠に先延ばしにしないためには、自分が1年間に寄付する額を定めてしまって、その額だけ寄付することを1年の行動目標とするのがひとつの手です。額はいくらでもいいのですが、目安として年収の1%とすると分かりやすいでしょう。1%というのは、寄付サイトGive Oneの名前の由来になっています。

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