2017年5月アーカイブ

iDとはどんなものか

電子マネーというとSuicaやEdyを思い浮かべることが多いでしょう。これらは事前に入金(チャージ)しておいて使います。一方、ポストペイ型電子マネーと呼ばれるiDやQUICPayというものもあります。これらは名前はずっと前から知っていたものの、どういうものなのかは何だかよく分からないでいました。Suicaで困らないし、まあいいや、と。

ただ最近機会があってiDを使うようになって、ああそうかこういうものだったのか、と今更ながらに理解しました。率直に言って、もっと早く使えば良かった。

思うに、iDを「電子マネー」と呼ぶから分からなくなるのではないか。利用者視点で単純化して言えば、iDとは「自分のクレジットカードの決済をスマホのタッチだけで行う仕組み」です。

ただしどのカードでもいいわけではなく、対応しているものに限られます。三井住友カードやセゾンカード、UCカードなどが対応しているそうです。(2017年5月27日追記: ほかにも道銀カードや横浜銀行、沖縄銀行など多数の地方銀行のカードも対応しているそうです)

上記の説明は例外をいろいろ省略しています。例えば携帯電話でなくてカードのタッチで決済したり、あるいはクレジットカードの契約なしに使う方法があったりもするようです。ただおそらく普通はスマホにカード情報を登録する使い方が多いだろうと思います。また実際にはいきなりカード番号そのものをスマホに入れるような運用ではなく、iDとしての番号 (iDのID番号?)を用います。この発行が必要なので、使い始めたいと思ったとき、カード会社に連絡して使えるようになるまで少々時間がかかるようです。

チャージ不要の2つの利点

利点は事前のチャージが要らないことです。通常のクレジットカード決済と同じで、iDに登録したカードに請求されます。チャージ不要というのは2つの意味で有利です。

1つは、残額を気にしなくていいこと。モバイルSuicaのようにスマホからチャージできるのは便利ですが、それでも、いくら入っているかを時々気にする必要がある。オートチャージ機能もありますが、あれは発動するタイミングが駅の改札だけらしいのと(使ってないのでよく知りません)、ちょっと高めの買い物だと結局残額を確認することになるでしょう。そういう煩わしさから解放されます。

もう1つは、チャージによるリスクを負わなくていいことです。ここでいうリスクとは、例えば、チャージしたものの使わずに退蔵してしまったとか、その電子マネーの使える店舗が減ってしまったとか、あるいは運営企業のビジネス上の判断によって使い勝手が悪くなったり価値が減ったり、極端には無価値になったりということもありえるでしょう。

そこまでいかないにしても、例えば1万円入金して1年間全く使わなかったとしたら、利息が付くわけではないので、同じ金額で個人向け国債を買えば最低でも金利0.05%分つまり5円増える(税引き前)のと比べると損しているとも言えます。

だから実はチャージしないで支払える方が利用者側にとっては良いと言えます。ただ、クレジットカードによってはモバイルSuicaへのチャージでポイント還元率が1.5%とかになっているのはその分のリスクプレミアムとみなせなくもないのでそこをどう評価するかが問題かもしれません。

おわりに

電子マネーやクレジットカードは、コンビニやスーパーの少額決済では現金をジャラジャラいわせるよりもスムーズで手早く済むこともあり、積極的に活用していきたいところです。iDはその有力な選択肢といえます。

北海道南部の松前町は、20世紀日本の書家・金子鷗亭の出身地であり、その影響で書道教育の盛んな町として知られています。

その松前で高校生の書道パフォーマンスの大会が開催されたニュースがありました。

上記のうち、函館新聞の方は記事の中にちょっと残念な部分があります。書家の名前が「金子鷗亭」と、「鷗」の字がHTMLの文字参照になってしまっています。40407は16進表記で9DD7にあたります。UnicodeでU+9DD7は第3水準漢字「鷗」の符号位置です。

人手で40407のような数字を入力したとは考えにくい。私の想像ですが、テキストエディタなどで「鷗亭」と入力したあとで、工程上の何らかの段階でシフトJISに変換することがあったのではないでしょうか。その際に、第3第4水準漢字まで対応しているJIS X 0213Shift_JIS-2004ではなく、第1第2水準までしか対応していないJIS X 0208ベースのShift_JIS (ないしはその誤った実装であるCP932) に変換しようとして、このような結果になったのではないか。

SJISとの変換が必要な時には、Shift_JIS-2004 ないしは Shift_JISX0213 を指定すれば、こうした問題は起きなくなります。Python, PHP, Java, libiconv等を用いるとUTF-8とShift_JIS-2004との間でコード変換ができます。

この鷗(かもめ)という字は、常用漢字には入っていませんが、人名用漢字には入っています。文化的な分野ではこの金子鷗亭や森鷗外といった人名に使われますし、白鷗大学 (栃木県) という大学名や鷗島 (北海道江差町) といった地名にもあります。いつでも使えるように、第3第4水準漢字に対応した符号化方式 (第3第4水準文字コード) を常に用いることが肝心です。

なお、上記ニュース記事のもう片方、毎日新聞の方では、「鴎」という略字体を使っています。これはJIS X 0208の1983年改正で大きく字体の変えられたものとして有名ですが、元は新聞による使用の方が83JISよりも先だったのだそうです。その意味では、新聞がこの略字を使うのは一貫していると言えなくもない。ただ、表外字の部分字体にも略字体を適用しようとするなら鴎の一字だけでなく全ての表外字が対象になるのか、そうでないのなら鷗が適用対象になる理由は何なのかと、方針がなかなか難しくなってくるので、元来の字体 (鷗) にあわせるのが無難であろうと思います。

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