2016年10月アーカイブ

日経新聞のサイトに気になる題の記事が載っていました。

私は飲むとすぐ赤くなる方なので読んでみたのですが、異なる方面で発見がありました。通常JIS第3水準漢字で表記される単語が使われていたのです。

酒皶という言葉

記事の途中に、「鼻や頬の一部が飲んでいないときでも赤くなる症状を「酒さ」(しゅさ) と呼ぶ」とあります。この記事では平仮名にしていますが、漢字では「酒皶」と書きます。この「皶」という漢字はJIS第3水準、面区点番号1-88-70です。

なぜそんなことを知っているかというと、以前にも見覚えがあるからです。ブログ記事にもしています。

この記事では、『皮膚の医学 肌荒れからアトピー性皮膚炎まで』 (田上八朗著、中公新書) という本に出てきたのを取り上げていました。

この言葉は国語辞典の大辞林や広辞苑にも出てきます。第3水準漢字を使った「酒皶」という漢字表記も載っています。ちなみに広辞苑はこの酒皶という症状について「酒客に多いが飲酒と無関係にもおこる」としています。

病気や医学といった分野にも第3第4水準漢字は時々現れるのです。

文字入力とコード変換

この酒皶という単語は、Emacsで動作する文字入力プログラムSKKの第3第4水準辞書に入っていますから、SKKでは辞書ファイルとしてSKK-JISYO.JIS3_4を参照していれば、何も特別な操作なしに「しゅさ」という読みから変換できます。

文字コードとしてはUTF-8やShift_JIS-2004, EUC-JIS-2004などで扱えます。JIS X 0208ベースのShift_JISなどでは符号化できないので、SJISにコード変換する場合は下記のようにiconvコマンドでShift_JIS-2004 (Shift_JISX0213) を指定すれば文字化けせずにうまくいきます。

  iconv -f UTF-8 -t SHIFT_JISX0213 < utf8.txt > sjis.txt

ソニーから人気の高級コンパクトデジタルカメラの新モデルDSC-RX100 Vが海外で発表されたとのことです。

RX100とは

この「RX100」シリーズは高級コンデジと呼ばれるカテゴリの製品の人気機種です。私は初代モデルを愛用しています。

何がいいかというと、センサーサイズが1型で、普通のコンパクトデジカメより大きくて画質が良いというのが第一。もちろん一眼カメラには劣りますが、見た目にはただのコンデジなのにいい画が撮れるというのが良いです。大きなカメラだと大仰な場面は多いですからね。

写すのにも一眼レフカメラと同じように絞り優先やシャッタースピード優先といったモードで撮影できます。さらにRAWファイルで保存でき、ソニーが無料で配布している現像ソフトやAdobe LightroomでRAW現像が可能です。デジタル一眼のサブ機のような使い勝手です。

もちろん、何も考えずにカメラにお任せで撮れるモードも用意されています。下手に自分であれこれするよりカメラ任せの方が良かったりして?

今回の新モデルはオートフォーカスが高性能化したのが売りのようです。日本での価格は未定ですが、約1,000米ドルとのことです。

旧モデルも狙い目

このシリーズ、5代目にはなりますが、ベースの部分はそんなに大きく変わらない(と思う)ので、値段の安くなった旧モデルを狙うのも手でしょう。

モデルによってレンズの焦点距離が微妙に違うとかEVF (電子ビューファインダー) の有無とか、なかなか悩ましい違いはあります。販売価格も結構違うようなので、興味を持った方は楽しく悩んでみてください。

こちらは私が愛用の初代RX100。Wi-Fi非搭載なので東芝のメモリカードFlashAirと一緒に使っています。(参考記事: 東芝Flash Air でソニー DSC-RX100 を Wi-Fi化する)

一方、こちらは現行の (今回発表のM5は除く) 最新モデルRX100M4。結構お高いですね...。

RX100で撮った写真の例

いくつか初代RX100で撮影した写真の例を。こちらは神戸の夜景の写真。HDR (ハイダイナミックレンジ) 機能がうまく働いてくれました。

こちらも神戸の夜景。色が綺麗に出ました。

東京、多摩川の夕景。映画「シン・ゴジラ」で自衛隊がゴジラと戦っていたあたりです。夕景が綺麗に写るのは嬉しい。

最後はカナダ・バンクーバーのビル群。海外旅行で荷物を減らしたいときにも便利です。

書家・金子鷗亭の作品の特別展が北海道立函館美術館で開催されるとのニュースがありました。

金子鷗亭とは

金子鷗亭は1906年生まれ、2001年没で、函館から比較的近い松前町の出身です。1990年に文化勲章を受章しています。漢文に偏ったそれまでの書のあり方を批判し、生活に近い口語文や短歌などを題材とすることを提唱、漢字・平仮名・片仮名の調和を重視したということです。日本酒「一ノ蔵」のラベルでも知られます。

鷗という字と文字コード

この「鷗」はJIS第3水準、面区点位置1-94-69にあります。鳥のカモメの意味です。音読みではオウと読みます。

PCでかもめと打って変換すると「鴎」の方が先に出てくることが多いでしょう。こちらはJIS第1水準、1-18-10です。

JIS X 0208はもともと、18-10の位置に「鷗」がありました。しかし1983年改正で「鴎」という略字体に変更されてしまいました。これは表外字なので常用漢字体ではありません。新聞の紙面では、独自に略したこの字体が採用されていたそうです。JIS X 0208の拡張版であるJIS X 0213で、元の字体が第3水準漢字として1-94-69に復活しました。

このニュース記事では注釈として「文字化けを回避するため「かもめ」の人名用漢字を鴎に置き換えました」と記しています。「「かもめ」の人名用漢字」というのは間違いとも言いにくいですがちょっと微妙な説明です。確かに「鷗」は人名用漢字に入っていますが、この説明だと「普通のカモメの漢字のほかに「人名用漢字のカモメ」という特殊な漢字がある」かのような理解をしてしまう人がいそうです。そうでなく、元来「かもめ」の漢字は「鷗」なのであり、この字は常用漢字表には入っていないが子の名付けに使って良い字に含まれている、というのが実際のところです。一方、「鴎」は新聞などで使われた「鷗」の略字体で、83JIS変更によってPCではこっちの字体しか出ない状態が長く続いたので広まっているものです。

このような面倒な説明を避けるためには記事で「鷗」を使えばいいわけですが、このニュースサイトはJIS X 0208ベースの Shift_JIS を使っているので「鷗」は表現できません。JIS X 0213ベースに拡張した Shift_JIS-2004 や、Unicodeの UTF-8を使えば問題なく表現できます。その際、単にHTMLだけでなく、記事の執筆・編集・管理といった作業工程全体で第3第4水準文字コードを用いることが必要です。

例えば、作業工程のあるフェーズで、UTF-8にて作成したファイルをSJISに変換する必要があるなら、Shift_JIS-2004を指定すれば良いです。これなら、「鷗」のような第3第4水準漢字や、非漢字たとえば著作権表示記号やユーロ記号なども文字化けしません。iconvコマンドではこうします:

  iconv -f UTF-8 -t SHIFT_JISX0213 < utf8.txt > sjis.txt

逆向きの変換、つまりSJISからUTF-8に変換するには、-f と -t を入れ替えてやります。これはCP932の波ダッシュ問題も引き起こさず、最も正当な変換結果が得られます。

  iconv -f SHIFT_JISX0213 -t UTF-8 < sjis.txt > utf-8.txt

余談ながら

冒頭の展覧会は道立函館美術館で12月11日まで開催とのことです。この美術館、函館の観光名所・五稜郭のすぐそばにあります。新幹線も開業したことですし、旅行の一環として行くのにも向いているでしょう。

下の画像は年末、雪の時期の五稜郭の写真です。12月11日だとまだ雪は積もっていないかもしれませんね。函館美術館はこの五稜郭を上から眺める五稜郭タワーの近くにあります。

広告