2016年3月アーカイブ

Windowsのメモ帳でテキストファイルを保存するときに文字コードを選択できますが、その選択肢では「Unicode」と「UTF-8」が並列に置かれています。これに違和感を持つ人も少なくないでしょう。このことを強い調子でけなしている文章をネット上で見かけたので、ちょっとこの件について書いてみましょう。

実はここで「Unicode」と言っているのはUTF-16のことです。現在多くの人は、「Unicodeの符号化方式としてUTF-16やUTF-8がある」ものと理解しているでしょう。拙著でもそう説明しています。するとWindowsのメモ帳の開発者はUnicodeを分かっていないのでしょうか。いえ、そうとも限りません。

過去の経緯

Unicodeは元々、16ビット固定長の文字コードとして開発されました。ASCIIが7ビットで1文字を表すのと同じように、Unicodeは16ビット版のASCIIですよ、エスケープシーケンスやSI/SOのような制御文字で文字集合を切り替えたりしないシンプルな文字コードですよ、という触れ込みだったのです。Unicode 2.0の仕様書でもそう説明されていました(過去記事参照: 「文字数制限」)。

しかし、のちに、最大65,536文字までしか表せない16ビットでは不足ということになり、サロゲートペアによって拡張するUTF-16が考案されたり、当初無意味だったUCS-4がBMP以外の面への文字の割り当てによって存在意義を持つようになったり(UTF-32)、はたまたASCIIと互換性のあるUTF-8がよく使われるようになったりして、「Unicode = 16ビット固定長」では具合が悪くなりました。それで「16ビット固定」のような言い回しはいつの間にかやめて、現在のような形になっています。ちなみにUnicode 8.0仕様書ではUTF-16の "origin" について、「UTF-16 is the historical descendant of the earliest form of Unicode, which was originally designed to use a fixed-width, 16-bit encoding form exclusively.」(2.5 Encoding Forms)と説明されています。

なので前世紀に書かれた文書やプログラムでは「Unicode = UCS-2」という前提があり、それを漫然と引き継いでいると、「Unicode」と言っているのが実質的にはUTF-16を指していることがあるわけです。

そして現在

今では個別の符号化方式としては「UTF-16」「UTF-8」のように言った方が適切なことは言うまでもありません。ただ、UTF-16の意味で「Unicode」と言われることがあるのは、単なる無知や誤解ではなく、それなりに過去の経緯が影響しているのだということです。

おわりに

なお、ここでは用語の説明などちょっと端折っているところもあるので、背景等含めて知りたい方は拙著をお読みいただければと思います。最後は宣伝?

北海道新幹線が10日後、3月26日に開業します。今回開業するのは北斗市の新函館北斗駅までです。新函館北斗は函館市の北に位置しており、函館に行くには新函館北斗で乗り換えて15〜20分ほど行くことになります。

季節は春。函館では4月下旬から5月はじめ頃に桜が咲きます。

五稜郭

有名な五稜郭は桜の名所でもあります。去年の春に私が自分で撮った写真からご紹介しましょう。

五稜郭は幕末に建設された城塞ですが、今は公園として整備されていて、たくさんの桜の木があります。五稜郭公園内にある五稜郭タワーに登ればこうして上から楽しむことができます。

もちろん公園内を歩くこともできます。これは朝に撮影した写真。水のほとりを気持ち良く散歩できました。

さて、同じ場所が、冬にはこうなっています。

去年の年末に撮ったものです。雪の積もったところにライトアップされて輝いています。なおライトアップは冬季のみのようです。冬は寒いと思われるかもしれませんが、函館は札幌ほど寒くありませんし、何より、雪と夜と灯りの組み合わせは最高です。

八幡坂

雪と夜と灯り、の組み合わせをもうひとつ。こちらは八幡坂。坂を下った先に港の見える人気の場所です。同じく昨年末撮影。

大沼国定公園

函館市外からもひとつご紹介。函館の北、七飯町の大沼国定公園は函館近隣の風光明媚で自然豊かなエリアです。大沼・小沼という湖と秀峰駒ヶ岳が美しい景観を作っています。写真では凍った湖の向こうに駒ヶ岳が見えています。私が行ったときは、アジアからの観光客が雪遊びしていました。

函館山からの夜景

そして函館といえばやはりこれ。函館山からの夜景です。

この写真も冬、昨年末に撮ったものです。これは完全に暗くなる前なので、雪の青白さと街灯の暖かみのある色がコントラストをなしています。もっとも、空が真っ暗になってしまえば雪があってもなくてもさほど変わりないと思います。

夏に撮った写真の例を挙げておきます。季節ごとの表情、また天気による偶然の変化もあるので、一度行って終わりではなく何度でも楽しめます。最高の観光都市であるこの函館へ、私も多分また写真を撮りに行くでしょう。おそらくは新幹線に乗って。

ちょっと長い書名の本、『クリエイターが知っておくべき権利や法律を教わってきました。著作権のことをきちんと知りたい人のための本』(鷹野凌著、インプレス刊)を読みました。なぜいま著作権か、というと、他人の著作権を自分が侵害してしまう可能性も、また逆に自分の著作権を他人に侵害される機会も増えているからです。

なぜ読むべきか

「クリエイター」というと、絵を描いたり作曲したり小説を書いたりといった活動を思い浮かべるでしょうか。当然それらも含まれますが、当サイトのようなブログの文章であったり、あるいは私が時々紹介しているようなデジカメで撮影した写真、あるいはコンピュータのプログラム、そうしたものもれっきとした著作物です。当ブログをお読みの方の中にも、いわゆる「クリエイター」という肩書きでないとしても、そうした著作物を産み出す活動を趣味や仕事でされている方は少なくないと思います。

そして今時は著作物の生産にしろ配布・流通にしろ、コンピュータとインターネットが大きく関わっている。そうすると、著作権を思わず侵害してしまう可能性も、逆に自分の権利が知らないところで侵害される機会も、大変多くなるわけです。

だから、他人の権利を侵害しないためにも、また自分の権利を守るためにも、著作権の知識はとても重要です。

本書を読んでみて

表紙の絵の雰囲気のように、やわらかいノリで書かれているので、基本的な知識をすでに持っている人ならサクサク読めるでしょう。

といっても程度が低いということではなく、知らなかったことも色々載っていたので、読んでみるときっと新しい発見があるでしょう。本書によると著作権侵害の罰則は窃盗罪よりも重いのだそうですよ。出所明示義務違反が非親告罪というのも初めて知りました。

きちんと構成を考えて編集された本というのは全体像をつかむのにすぐれていて、その点では断片的な情報を捕まえがちなネット検索はまだ全然太刀打ちできないと思います。本に書かれていること全部を理解しないまでも「まだこの辺に自分の理解していないところがある」ということを認識しているだけで、適当なネット検索で理解したつもりになっているよりはずっと進歩したといえるでしょう。著作権についても、上映や演奏のように自分とあまり関係ない分野については私は正直きちんと理解してはいませんが、もしそういう方面に関わる機会があったら「この辺は要注意、詳しく調べるべし」というアラームが頭に上がるようにはなったと思います。そういうことが本を読む意味のひとつでないかと思います。

本書はインターネット時代らしく、他者に自分の著作権を侵害された場合、つまり無断転載への対処についても一章を割いて書かれています。相手に直接言ってみる、サービス事業者へ報告、GoogleへDMCA侵害申請、といった手段が書かれています。「サービス事業者」というのがちょっと分かりにくいですが、レンタルサーバなどの事業者のことでしょう。実は今の私はここに一番興味があります。この前も書きましたが「旅行キュレーションメディア」による著作権侵害、写真の無断転載、パクリの問題です。

関連:

おわりに

著作権を知ることは結局、自衛のために必要なのだと思います。自分の権利が侵害された場合の対処も当然ありますし、さらには、自分が他者の権利を侵害しないこともまた、自らを守ることにつながります。

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