上質な言葉読み物『辞書編纂者の、日本語を使いこなす技術』

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飯間浩明『辞書編纂者の、日本語を使いこなす技術』(PHP新書)を読みました。著者は三省堂の国語辞典の編纂に携わっている方です。

言葉の話というと「この言い方は正しい、正しくない」という議論を思い浮かべる人がいるかもしれませんが、本書はむしろそういう「こう言ったら間違い」みたいな短絡的な話には距離を置いています。

また逆に「最近はみんなこう言っているからこれでいいんだ」みたいな(私に言わせれば)乱暴な話とも少し違います。

私の見方では、本書の特徴は、言葉の使い方が状況に照らして理にかなっているかどうかを吟味していることだと思います。もっとも、あまりかしこまったものではなく、全体的に穏やかなトーンが印象的で好ましく感じられます。

連載をまとめたものなので言葉についての様々なテーマを扱っているのですが、中でも『「普通のことば」が味わい深い』というくだりはなかなか真似できない、すぐれた観察力によるものだと思いました。興味のある方は是非読んでみてください。

文字の形についても少し触れられています。手書きと印刷の形の差に言及して、活字の形は必ずしも手書きの形と同じでないこと、手書きの場合に活字の形を手本にするのは適当でないことに触れられています。財前謙『新常用漢字196 ホントの書きかた』(芸術新聞社)を紹介してもいます。この本は私も読んで面白いと思ったので、文字の形に興味のある方はこちらも読んでみてください。

漢字と仮名の使い分けについて書かれたところもあります。これは正解があるわけでなく、人によってそれぞれ異なった考え方のあるテーマです。そのうち、私自身の方針についても書いてみたいと思います。

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