2015年5月アーカイブ

テレビ東京の「なんでも鑑定団」を見ていたらまたJIS第3水準漢字が使われていました。

古い中国の硯の紹介の中で「玫瑰紫」と字幕に映っていました。番組ではこの言葉は発音されなかったので読みは不明ですが、ネット検索では「ばいかいし」と読み仮名を付けたものが見つかりました (参考: 文房四宝8 硯(2))。

1文字目の「玫」はJIS X 0213の第3水準、面区点1-87-88です。JIS X 0213ですから、EUC-JIS-2004Shift_JIS-2004、あるいはUTF-8といった符号化方式で扱うことができます。

この「玫瑰」という言葉は他でも覚えがあります。「まいかい」と読み、バラ科の落葉低木、またはハマナスの漢名とされます。また石の名前でもあるとのことです (参考: 「大辞林」)。

以前、当ブログの記事でも取り上げたことがあります。高浜虚子の俳句にこの言葉が出てきたというものでした。

文芸作品にJIS第3第4水準漢字が出てくることはしばしばあります。また、「なんでも鑑定団」でもしばしば第3第4水準が使われます。

文化的な活動にはJIS X 0213が欠かせません。文字コード、フォント、入力方式の3点そろってJIS X 0213に対応することが重要です。

Windows 7に添付のIMEで、JIS X 0213:2004で追加された「表外漢字UCS互換」10文字のうちのひとつ「繫」(第3水準、面区点位置1-94-94)の扱いがおかしいように見えます。

これは表外漢字字体表への対応のためにJIS X 0213の例示字形を変更しようとしたところISO/IEC 10646 UCS (Unicode)との対応に問題を生じるために追加された符号位置で、第1水準1-23-50の「繋」に対する「印刷標準字体」と呼ばれるものです。目を凝らしてみると左上部分の形が少し違うのが分かると思います。私は目が悪いのでこういうのは苦手ですが...。

Windows 7のIMEではこの字を入力できるのですが、「繁」と混同されているのか、「はんえい」と打鍵して変換キーを押すと「繫栄」なんてのが出てきたりします。

そんな言葉ないよねえ、とぐぐってみたら個人ブログや質問サイトなどで「繫栄」という字面が堂々と出てきたりするので、自分の方が勘違いしているのかと不安になったりもします。まあ、変換キーを押して出てきたものをそのまま使っているだけなのでしょう。Googleでは「繫栄」を検索すると「繁栄」も出てくるようになっています。

Windows 8.1ではそういう変換はされないので、間違いに気付いて修正されたのでしょうか。

以前、SKKの第3第4水準辞書のファイルSKK-JISYO.JIS3_4の冒頭のコメントにもこの字の取り違えをした記述があったので (今は修正済み)、ありがちな間違いなのかもしれません。

ご参考まで、こうした「表外漢字UCS互換」については拙著『プログラマのための文字コード技術入門』のp. 90で説明しています。あわせてご参照いただければ幸いです。

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