部首は面倒くさい

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前の記事に部首画数順という言葉が出てきました。「ああ、部首ね」と、どういうものか分かるかと思いますが、細かく見ていくと、部首というのはあまり分かりやすいものでない。部首ってなかなか厄介だ、というお話を少し。

例1 「巨」の部首

「巨」の部首が何であるか知っているでしょうか。漢字に詳しい人は知っているでしょうけど、学校教育を普通に受けただけでこの問いに正確に答えられる人は多くないでしょう。

模範解答は「工」です。漢和辞典には工部2画として掲載されています。「巨」の中に「工」が見当たらないので訝しく思うかもしれませんが、実は元々「巨」という字は「工」の縦線に「コ」型がくっついたような形だったのです。それが変化して今の字体になった。それで今でも「工部」に分類されているのです。と、まるで見てきたように言っていますが、ものの本で読んだことの受け売りです。ちなみに辞書によっては利用者の便のために異なる部に配置しているものもあるそうです。

例2 門構えの漢字の部首

もうひとつ。「問」「間」の部首はそれぞれ何であるか分かるでしょうか。どちらも門構えがついているから「門」でしょうか。

ところがそうではなく、「問」は口部、一方、「間」は門部に属するとされています。似た構成なのに部首は違うんですね。ちなみに「聞」は耳部で、「開」は門部。何がどうなっているのか。音読みがモンであるものは門部ではない、ということに気付いたでしょうか。形声文字に意符・音符という要素がありますが、「門」が音符となっていれば、その「門」は部首ではないわけです。例えば形声文字の「誠」の部首が「言」であることはすぐ分かると思いますが、部首でない方の「成」が音符として働いているわけです。これと同じです。

あまり調子に乗るとボロが出そうなのでこの辺でやめますが、いいたいことは、部首というのはそう簡単でない、結構面倒だ、ということです。

部首とはそもそも何なのか

実は「部首」という言葉自体も面倒というか、誤解されているなと感じることが時々あります。例えば「誠」の部首として「言」と「成」の両方を挙げてしまうような話し振りを聞くことがあるかもしれません。これは間違い。

部首というのは、漢字を構成要素に基づいて分類した「人部」や「火部」や「言部」などの「部」の、「首」つまり冒頭の文字を元々いうのです。漢和辞典で「人部」を見ると、にんべんのついた漢字がたくさん並んでいるその先頭に「人」という字があるはずです。これが「部首」。だから「誠」の部首は「言」であって(つまり言部に所属するということ)、「成」ではない。

現在使われている部首は18世紀の康熙字典に基づいたものですが、それより昔の字書では異なる分類があって部の数も変わっているので、大昔から不変のものというわけでもありません。

考えるに、部首がまずあってそこから演繹的に個々の漢字ができたわけではなく、山のようにたくさんある漢字をどうにか分かりやすく分類・配列しようとして編み出されたのが部首という方式であるとすれば、そう整然としたものになってくれないのも無理からぬことでしょう。

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