ふたつの網代

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誰もほめてくれないので自画自賛するしかないのですが、拙著『プログラマのための文字コード技術入門』第7章のJavaのくだりの「小網代(こあじろ)」と「𩸕網代(きびなごあじろ)」を対比させた例は我ながらよくできていたと思います。

これの何がいいかというと、どちらも実際の地名であって、1文字入れ替えただけの漢字3文字の列なのに、String#length()なんかの結果が変わってくるというものです。後者の「𩸕」(JIS X 0213の第4水準、面区点2-93-57、U+29E15)がBMP外にあって、UTF-16ではサロゲート・ペアによって表現されるからです。

「𩸕網代」は長崎県は五島列島にある地名です。以前何度か当ブログに出てきたことがあります。「「きびなご網代」の用例」を参照すれば、現地の文字の写真や、この地名が記されている長崎新聞の記事にもアクセスできます。実際に言語表記に使われている文字であることがわかるでしょう。

「小網代」は、神奈川県三浦市にある地名です。小網代について特筆すべきは、小さな川の源流から干潟に注ぐ河口までの流域が人工物に遮られずに自然の形で完結していることです。一帯の森は特に「小網代の森」と呼ばれ、保全運動が展開されています。

最近出版された『「流域地図」の作り方』(岸由二、ちくまプリマー新書)にも小網代の森について記されています。

私は森の中には入ったことはありませんが、干潟には何度か行ったことがあります。静かで、鳥の遊ぶのを目にすることができる良い場所でした。

小網代という地名は、相模湾の向こうにある伊豆半島の網代にちなんでつけられたものだと聞いたことがあります。

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