JIS X 0208と重ね打ちの思惑

| コメント(0) | トラックバック(0)

JIS X 0208は元々、重ね打ちによって、コード表にない図形文字を表現することがある程度想定されていたようです。

その代表的な存在は83年改正で追加された2区94点「大きな丸」(LARGE CIRCLE)です。今ではこのような名称になっていますが、元々は合成用の丸として、数字と重ねることで①等の丸付き数字を表現することが意図されていたようです。これは通常の白丸とは別区点にあり、より大きなサイズで普通はデザインされていると思います。

ただ、そのような思惑であったとしても、具体的にどうすれば合成できるかは明らかでなかったし、実際にもそのようなことはできなかったので、JIS X 0208の1997年改正では明確に否定されました。「8. 合成文字の取扱い」において、全ての図形文字は前進を伴う文字(spacing character)であること、また、制御文字のBACKSPACEやCARRIAGE RETURNによって重ねた合成文字を使用してはいけないことが記されています。

したがって、合成しないと表現できないような文字はJIS X 0208では符号化できないということが明確化されたわけです。丸付き数字のほか、â, é 等のダイアクリティカルマーク付きのアルファベットもこれに含まれるといえます。

こうした明確化は地味ながら非常に重要なことで、2000年に制定されるJIS X 0213に追加すべき文字種を特定するための根拠となっています。

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://yanok.net/yanok/mt-tb.cgi/510

コメントする

最近のブログ記事

名字の第3水準漢字:「㞍」
先日テレビを見ていたら、人名の名字にJI…
JISの幽霊漢字が大正時代の新聞にあったように見えたという記事
JIS X 0208の幽霊漢字についてT…
Jアラート訓練メールで文字化けとのニュース
一昨日のことですが、中国・四国地方から文…
任俠の第3水準漢字
ユーモラス、と言っていいのか分かりません…
ふるさと納税で奥尻島のワインを頂きました
奥尻島は北海道の南西の方に浮かぶ島です。…

広告