2013年12月アーカイブ

東日本大震災の被災自治体にお金を寄付しようとしたとき、被災3県がまず頭に浮かびますが、市町村でも寄付金を受け付けています。

市町村は数が多いので受付窓口のウェブサイトの一覧でもないかなと思って探したのですが、意外といいものがない感じです。あるにはあります。

一覧は上記ページの中のリンク先のPDFファイルです。私が見たところこれが一番良さそうです。お役所らしく(?) PDFなのではっきりいって使いづらいですが、情報がないよりはずっと良いです。

ほかに、

というのもありますが、こちらは市町村の分がExcelファイルになっているうえ、リンク切れが多いように見受けられます。受付終了になっているところもあります。

ほかにもっと良い情報源があればと思います。

もちろん、自治体以外に、被災地で支援活動をしているNPO・NGOに寄付するのも手です。

出版社による、ある写真集の紹介ページを見ていたら、その写真集の作者名と出版社名にともにJIS第3水準漢字が含まれていることに気付きました。

(えい)出版社のデジタル写真集「にっぽんモニュメント」です。写真家の名前が、帆足(ほあし)侊兀(てるたか)となっています。

出版社名の「枻」、写真家の名前に含まれる「侊」はともに第3水準です。前者は面区点1-85-56、後者は1-14-21です。

上記のリンク先では写真家の名前を漢字のままきちんと文字として符号化しているのですが、その先の販売サイトでは「テルタカ」と片仮名になってしまっています。また、出版者自身のサイトでも自社名の「枻」は「エイ」と片仮名にされています。この出版社については以前も取り上げたことがあります(「第3水準漢字で頑張る出版社」)。

いつでもどこでも第3第4水準漢字を使える環境を整備することが大事であって、いまだに不十分であることが、この事例からも分かります。

文字コードとしては、UTF-8やShift_JIS-2004、EUC-JIS-2004といった第3第4水準文字コードを常に用いることが必要です。フォントや入力環境もそれに対応する必要があります。第3第4水準文字コードに対応すれば、漢字だけでなく、「♡」のようなトランプのマークや温泉マーク「♨︎」、白抜き矢印「⇨」、チェックマーク「✓」ユーロ記号「€」等の記号類も豊富に使えます。

今月から道路交通法が変わって、自転車で路側帯を通るときに進行方向に向かって右側の路側帯を通ることは禁止になりました。これについていろいろと誤解や混同があるようです。

例えば今ウェブ検索で「道路交通法 自転車」というキーワードを入れてみると、「自転車の逆走が禁止に」といった見出しのニュース記事が出てきます。これはどうも誤解があるような見出しです。何が誤解かというと、まるで「今までは逆走してよかった」かのように読めるからです。

実際のところ、今までも自転車は車道の左側を走ることに決まっています。これは他の車両と同じです。自転車は分類上、軽車両とされています。右側を走ると逆走であり、違反です。

では今月から何が変わったのかというと、路側帯の扱いです。自転車が路側帯を通行する場合、今まで進行方向については定められていなかったのが、車道と同じ進行方向にそろえるということです。路側帯ってなんだっけ、という方もいるでしょう。歩道のない道路に線を引いて区画された簡易的な歩道のようなのが路側帯です。詳しくはネット検索等で調べてください。

ただ、あくまでも自転車は車道を通ることが原則なので、原則通りに車道を通行している場合は今までと同じで、何も変更ありません。路側帯を通ることは自転車の運用上例外に属することであって、その例外の規定に不備があったので手直しされたということです。

だから、まるで今までは自転車はどちらを通っても良かったかのように解釈されかねない報道は適当でないということになります。

もっとも、これを機に「自転車は左側」という認識が定着して、いま時々見かける車道の逆走=右側通行 (くどいようですがこれは元々違反です) がなくなるようなら、多少報道が不正確でもいいのかなという気もします。いややっぱりよくないのかな。

ふたつの網代

| コメント(0) | トラックバック(0)

誰もほめてくれないので自画自賛するしかないのですが、拙著『プログラマのための文字コード技術入門』第7章のJavaのくだりの「小網代(こあじろ)」と「𩸕網代(きびなごあじろ)」を対比させた例は我ながらよくできていたと思います。

これの何がいいかというと、どちらも実際の地名であって、1文字入れ替えただけの漢字3文字の列なのに、String#length()なんかの結果が変わってくるというものです。後者の「𩸕」(JIS X 0213の第4水準、面区点2-93-57、U+29E15)がBMP外にあって、UTF-16ではサロゲート・ペアによって表現されるからです。

「𩸕網代」は長崎県は五島列島にある地名です。以前何度か当ブログに出てきたことがあります。「「きびなご網代」の用例」を参照すれば、現地の文字の写真や、この地名が記されている長崎新聞の記事にもアクセスできます。実際に言語表記に使われている文字であることがわかるでしょう。

「小網代」は、神奈川県三浦市にある地名です。小網代について特筆すべきは、小さな川の源流から干潟に注ぐ河口までの流域が人工物に遮られずに自然の形で完結していることです。一帯の森は特に「小網代の森」と呼ばれ、保全運動が展開されています。

最近出版された『「流域地図」の作り方』(岸由二、ちくまプリマー新書)にも小網代の森について記されています。

私は森の中には入ったことはありませんが、干潟には何度か行ったことがあります。静かで、鳥の遊ぶのを目にすることができる良い場所でした。

小網代という地名は、相模湾の向こうにある伊豆半島の網代にちなんでつけられたものだと聞いたことがあります。

「韃靼」の真相

| コメント(0) | トラックバック(0)

中高生の頃は中国史オタクだったのですが、いまひとつ腑に落ちない件がありました。

高校世界史の地図資料で (そう、当然のように世界史を選択していた)、明代になると急に「韃靼」なる国名なのか民族名なのか、そういう名称がモンゴル高原のあたりに出てくるのです。

古代からこの辺は、匈奴や鮮卑や柔然や突厥といったのが興亡しているので (それにしてもこの字面の奇妙な感じが華夷思想というやつであろう)、それの一種なんだろうか、くらいに思っていました。でも韃靼ってタタール部のことじゃないか、どうなってるんだろう、とか。

それがどういうことだったのかが分かったのは、高校を卒業してかなり経ってからでした。

ものの本を何冊か調べたところ、結論からいうと韃靼というのは北元のことだったと分かったのです。

元というのは、大元大モンゴル国という名称のとおりモンゴルの国です。モンゴルの帝国がいわゆる中国を占領・支配していたのですが、漢民族の反乱によって中国を失います。中国では明という国ができるのですが、ここで別に元が滅んだわけではなくて、本拠地のモンゴルは健在なわけです。便宜的に、中国を失った後の元は北元と呼ばれます。

1388年にクビライの直系の血統は断絶しますが、その後もモンゴル高原では「大元ハーン」を名乗る政権がありました。しかしそれを明は認めたがらない。元から明に天下が移ったのだ、君らもう元じゃないから、ということにして、無理やり彼らを「韃靼」と呼ぶことにしました。つまり「韃靼」という言い方は、明の都合による言い換えにすぎなかったわけです。

明の権力者のつまらない意地のせいで、何百年も後の高校生の頭を悩ませるのだから罪作りなことです。

明はモンゴルに本当にとってかわるべく征服しようと度々遠征しますが、逆に皇帝が捕虜になったりして失敗しています。現在残っている万里の長城はこの明代に作られたもので、要は防衛線です。

その後17世紀、後金国を建てたヌルハチの息子ホンタイジは、モンゴルの帝室を受け継ぐチャハル部の君主リンダン・ハーンの息子エジェイの降伏とともに元の玉璽を譲り受け、チンギス以来の正統を受け継ぐ大ハーンとして大清国の皇帝位につきました。つまり、モンゴルの正統は元→明→清という道筋ではなく、元→北元→清と受け継がれたことになります。

JIS X 0208は元々、重ね打ちによって、コード表にない図形文字を表現することがある程度想定されていたようです。

その代表的な存在は83年改正で追加された2区94点「大きな丸」(LARGE CIRCLE)です。今ではこのような名称になっていますが、元々は合成用の丸として、数字と重ねることで①等の丸付き数字を表現することが意図されていたようです。これは通常の白丸とは別区点にあり、より大きなサイズで普通はデザインされていると思います。

ただ、そのような思惑であったとしても、具体的にどうすれば合成できるかは明らかでなかったし、実際にもそのようなことはできなかったので、JIS X 0208の1997年改正では明確に否定されました。「8. 合成文字の取扱い」において、全ての図形文字は前進を伴う文字(spacing character)であること、また、制御文字のBACKSPACEやCARRIAGE RETURNによって重ねた合成文字を使用してはいけないことが記されています。

したがって、合成しないと表現できないような文字はJIS X 0208では符号化できないということが明確化されたわけです。丸付き数字のほか、â, é 等のダイアクリティカルマーク付きのアルファベットもこれに含まれるといえます。

こうした明確化は地味ながら非常に重要なことで、2000年に制定されるJIS X 0213に追加すべき文字種を特定するための根拠となっています。

広告