2013年9月アーカイブ

東京・根津美術館で展覧会「清雅なる情景 日本中世の水墨画」を鑑賞してきました。この美術館は隈研吾設計の建物も格好いいし、庭園もとても良いところです。

Nezu Museum / 根津美術館

展示を見ていたところ、解説文の中にJIS X 0213の第3水準漢字があるのに気付きました。

展示作品のひとつ、「寒山拾得図」に賛を書いた人物の名前が「南江宗沅(なんこうそうげん)」と記されていたのです。最後の字「沅」はJIS第3水準、面区点1-86-54にあります。この人は室町時代の臨済宗の僧だとのことです。

期間ごとの展覧会のほかに、この美術館は常設展示として古代中国の青銅器を展示しています。その中にも第3第4水準漢字がありました。

饕餮文方盉(とうてつもんほうか)」の「盉」はJIS第4水準、面区点2-81-86です。美術館のウェブサイトでもこの字は使われています。

また、「饕餮文卣」の「卣」は第3水準、1-14-80。

「饕餮文斝」の「斝」は第3水準、1-85-10。

「饕餮文瓿」の「瓿」は第3水準、1-88-38。

「蟠螭文鎛」の「螭」は1-91-62、「鎛」は第3水準、1-93-32です。

「狻猊鸚哥文八稜鏡」の「狻」は第3水準、1-87-75。

ちなみに春秋時代の器自体に文字が刻まれたものもありましたが、これは私には読めません。

文化や芸術にはJIS X 0213が欠かせません。以前も、美術館や博物館、寺院等で、JIS X 0213の文字を発見しています。

こうした文字がいつでも使えるということが肝心ですから、私はシフトJISというときはShift_JIS-2004を、EUCというときはEUC-JIS-2004をいつでも使うようにしています。

この前のバンクーバーの写真を撮るのに使ったのは、ソニーのコンパクトカメラDSC-RX100です。

DSC-RX100

撮影が目的で行くわけでもないので、一眼レフを持って行くのはさすがに邪魔だと思いました。

ミラーレス一眼が近年はやりで、コンパクトさを売りにしています。これもちょっと考えたのですが、レンズが取り外しできる形でくっついている分、どうしてもでっぱりができるので、携帯性という点では限界がある。

なので、携帯性重視ならコンパクトカメラだろうと。

コンパクトといってもこのRX100はなかなか優れものです。「高級コンパクトデジカメ」と呼ばれることもありますが、同じ「高級」といっていても値段が結構違うものがあります。20万円(!)とかするものもありますが、RX100はそんなに高くありません。

特に暗い所に強いのはうれしいですね。ISO3200でもかなり頑張ってくれますし、HDR機能も面白い。この前の夕方や夜の写真はHDRをきかせて撮ったものです。ちなみにビル群の夜景を撮ったハーバーセンターの展望台では、HDR機能とおぼしい連続カシャカシャ音がまわりのあちこちから聞こえていました。時代の変化を感じます。

ただ、撮影のときの私の持ち方が悪いのか何なのか、HDRのために連続撮影している最中にブレてしまうことがあるようで、念のため何度か撮影して、状態のいいものを選びました。このへんはもう少し研究の余地がありそうです。

RX100には後継モデルが発売されているのですが、旧モデルのRX100も併売されています。大幅な変更でない割に実売価格で結構違いがあるので、旧モデルを選ぶ人も多いんじゃないかと思います。

最近話題の、スマートフォンに接続して使うレンズ型のカメラQX100がありますが、これの光学的な性能はRX100と同じだそうですから、こちらにも注目したいと思います。最近ソニーは意欲的なカメラを作っていて面白いです。

先週の土曜日、日本テレビの「志村動物園」を見ていたら、ちょっと見慣れない漢字が画面に出てきました。

女性タレントが農業高校に「生徒」として入って乳牛の世話をしたりするコーナーだったのですが、器具を用いる牛の体の場所として「下膁部(かけんぶ)」と言っていたのです。音だけでは通じませんから画面に文字も出ていたのですが、肝心の「膁」の意味がわからないので「何かの下の方の部分なのだろう」ぐらいの極めて茫漠とした印象しか持てませんでした。

この「膁」という字、テレビの画面では字のバランスが少々崩れて見えたので、作字したのかなという疑いを持ちました。あとで調べてみたら、JIS第4水準、面区点位置2-85-43にある漢字でした。フォントになかったのでしょうかね。

ウェブを検索すると「膁部」という言葉でよく使われるようです。テレビ番組のように牛の体について述べているウェブページもよく出てきますが、犬を扱う動物病院のページにも現れています。馬についてのブログ等で出てくることもあります。ウェブページをいくつか見た限りではどうやら「ひばら」ともいうようで、脇腹のあたりを指しているように思えます。

JIS漢字字典』によると、この字は農業の学校教科書に現れるということです。実際に、このテレビ番組では農業高校の活動の中でこの言葉が出てきたわけですから、教科書に載っていても不思議ではないでしょう。

Macでこの字を入力しようとしたところ、「けん」と打ってスペースキーを連打しても見当たりませんでした。変換窓の「部首」をクリックしてみましたが、やはり見つけられませんでした。SKKの第3第4水準辞書では「けん」から入力できますが、同音異字が多すぎて大変なので、「膁部」という熟語も登録しておきました。

この前にも書いたことですが、特別に人目を引くような字ではないけれども、その分野では普通に使われる字であって、JIS X 0208にはなくてJIS X 0213で追加されている。そういう字が、表示はもちろん、仮名漢字変換も含めて普通に扱えるということは、地味だけどもとても大切なことだと思います。

「世界で最も住みやすい都市」ともいわれるバンクーバーはカナダ西部にある都市圏人口約200万の大都市です。中心部には高層ビルが密集していてなかなか見応えがあります。

先日訪れた際は写真を一生懸命撮ってみました。これはバンクーバー中心部にある高層ビル・ハーバーセンターの展望台から見た夜景。

From Vancouver Lookout / 展望台からの夜景

同じ展望台から北側を望む図。中心市街地の北側は入り江に面しており、その対岸の街の向こうには山があります。この、海と山の景色がバンクーバーの良いところでないかと思います。

Night inlet and buildings / 夜の入り江

今度は地上からビル群。この街はカナダ第2の金融センターということですから、そういう業界の企業が多いのでしょうか。カメラの背後はすぐ海です。下の方に見える薪を組み合わせたみたいなオブジェは2010年冬季オリンピックの聖火台だそうです。

Night skyscrapers

同じあたりから、水上飛行機ごしに入り江を望む図。

Twilight hour of Vancouver / バンクーバー黄昏時

バンクーバーの有名なショッピングエリア、ロブソン通り。観光客や買い物客でにぎわっています。

Robson Street / ロブソン通り

夜の写真が多いのは、昼間は仕事だったためです。到着日は昼間も少し見て歩くことができました。こちらは郊外のクイーンエリザベス公園。綺麗な庭園のある居心地のいい公園です。

Garden with tall trees / 庭園

この周辺は閑静な住宅街です。ゆったりした広い敷地に低層住宅が整然と並んでいます。緑がたいへん豊かです。

A suburb of Vancouver / バンクーバー郊外

さてとても華やかなバンクーバーですが、負の面も目にしました。

昼間歩いていて、交差点にさしかかったところで、近付いてきた女性を見て。

麻薬?!

それまで麻薬中毒者を見たことはありませんでしたし特段の知識も持ち合わせていませんが、見た瞬間にそう思いました。表情も足取りも一見してヤバい。あわてて、渡るつもりでない横断歩道を渡って避けてしまいます。

そのあとホテルに戻ってからネット検索してみると、バンクーバーは麻薬の問題が大変に深刻だということを、迂闊にも当地に来てから知ることになりました。あまりに蔓延しているため、中毒者が合法的に麻薬を打てる政府の施設まで存在するということです。管理された環境で清潔に打ちつつ中毒から抜け出す支援をするということでないかと思いますが、それにしても驚きです。

外務省のサイトに「『北米の麻薬天国』とも言われており」とまで書かれているくらいです。その他、「バンクーバー 麻薬」といったキーワードでネット検索すればいろいろ出てきます。

治安がいいといわれることもあるようですが、日本よりずっと犯罪発生が多く、日本と同列に語ることはできません(上の外務省サイト参照)。

別の場所でももう一人ヤバそうな女性を見かけたのですが、こちらはもしかすると単なる体調の悪いホームレスだったかもしれません。警察官のような人に声をかけられていました。

ヤバそうな人を目撃した2回とも、危険とされる地区ではありません。治安の悪いエリアはガイドブックにも記されていますから、わざわざ近付かないのです。治安が悪いとされていない場所でも通りによってはヤバそうな雰囲気の裏通りが見えたりします。そういう所にも近付きません。それでも、そういう人を目撃するわけです。

いったい、この街の麻薬問題の背景には何があるのでしょうか。貧困、犯罪組織などでしょうか。輝く夜景にもかかわらずなぜなのか。あるいは輝かしさの中に構造的に埋め込まれた問題なのか、私には判断がつきません。

テレビ東京の「なんでも鑑定団」を見ていたら、JIS第3水準漢字を見つけました。

鑑定品として江戸時代の天球儀が出品されていたのですが、その表面に二十八宿を表す漢字が記されています。二十八宿というのは昔の中国で考えられた星座のようなものです。そのひとつとして、「氐」という漢字が記されていました。

この「氐」はJIS第3水準、面区点番号1-86-47です。音読みはテイ。二十八宿のひとつとしては「ともぼし」と訓読するようです。

昔の天文学について記す上でも、JIS X 0213が必要であるわけです。

SKKの第3第4水準漢字辞書(SKK-JISYO.JIS3_4)を使うと、「ともぼし」という読みから「氐星」に、「てい」という読みから「氐」に変換できます。

さてこれと同じ字が、別の用途において学校の教科書に載っています。それは、高校の世界史です。古代中国、五胡十六国時代の五胡のひとつが「(てい)」と記されているのです。この例は拙著『プログラマのための文字コード技術入門』にも記したと思います。

特別難しそうに見える字ではないので、いわれないと第3水準だとは気付かないかもしれません。そういう第3第4水準漢字も、結構あります。

特別に人目を引くような字ではないけれども、その分野では普通に使われる字であって、JIS X 0208にはなくてJIS X 0213で追加されている。そういう字が、表示はもちろん、仮名漢字変換も含めて普通に扱えるということは、地味だけどもとても大切なことだと思いますし、そういうことこそが大切なのではないかと思います。

バンクーバーで撮ってきた写真をFlickrに少しずつアップロードしていたのですが、ちょっと面白い現象がありました。下の写真へのアクセスが妙に多いのです。

Ramen Santouka in Vancouver / らーめん山頭火 バンクーバー店

これは何かというと、バンクーバーにある「らーめん山頭火」のお店の写真です。山頭火は北海道・旭川発祥の人気のラーメン店です。国内のみならず海外にも複数の店があります。

この写真はスマートフォンで何気なく撮影したもので、写真自体の出来が特別良いというわけではありません。この写真にやけにアクセスが集まっているのは、皆さん山頭火が好きなのか興味があるのか。

ふーむ。それなら、来店しての印象を少し記しておきましょう。

この店はバンクーバーのショッピングエリアとして知られるロブソン通りの西の方にあります。バラード通りあたりから行くと結構歩きます。

店にはずいぶん客が入っていて、席に着くまで少し待たされました。繁盛しているようです。

店員同士は日本語で会話していて、発音もナチュラルなのでどうやら日本人のようです。バンクーバーはアジア系の人が多く、顔立ちだけでは判断できません。

山頭火といえばまずは塩ラーメン。10ドルまでいかないくらいの値段です。日本円では900円くらいでしょうか。やや高めに感じます。

注文してしばし待つ。

出てきたラーメン。サイズも見た目も日本のものと変わりない感じです。小梅が乗っているところまで再現されていました。

食べてみる。うむ、山頭火だ。変に現地化されていない、オリジナルに忠実な味だと思いました。

帰ってからネット検索してみたところ、このバンクーバーの店舗の開店に関して、こんな記事が見つかりました。

野菜や肉類などの食材以外の、麺やタレといったラーメンの味の決め手となるものはすべて日本から仕入れる。厨房には日本の店で経験を積んだ従業員が立ち、「『本店の味を忠実に再現する』『世界共通の1つの味』というこだわりを貫いた」という。

(ダウンタウンに「らーめん山頭火」カナダ1号店-開店前から話題に - バンクーバー経済新聞)

なるほどね。先月札幌で食べてきたばかりの私が違和感を覚えなかったわけです。

満足して食べ終わり、クレジットカードで支払って、店員さんに「北海道と同じ味で良かったです」と伝えて店を後にしました。

カナダ・バンクーバーに仕事で行ってきました。一般的な写真も撮ってきたのですが、それはまたそのうち。まずは自転車の話を少し。

バンクーバーは東京や札幌といった日本の大概の代表的な都市よりもずっと自転車にやさしい街でないかと感じました。

全部が全部というわけではありませんが、車道の右側に自転車レーンのついている道路をしばしば見かけました。

下の写真は郊外の道路で見かけた自転車レーンです。

バンクーバー郊外の自転車レーン

自転車の数そのものはあまり多くはないのですが、走っている自転車は日本のママチャリのようなのではなく、もっとスピードの出るタイプのものです。また、ヘルメットの装着率はかなり高いと見受けられました。かぶっていない人もいたので義務ではないのかもしれません。

歩道を通行していることはあまりなく、一般的には車道を走っています。

自転車レーンのある道路では、自動車の右折レーン(日本と左右逆なので、日本でいうところの左折レーン)が設置されている交差点ではそれより左側(つまり中央寄り)に自転車レーンが通っているのを見かけました。日本で自転車に乗っていてよく感じるのは、左折レーンがあるときの直進しにくさです。この問題の解消を図っているものと思われます。ただ、どのタイミングで中央寄りのレーンに移行するのかはよく分かりませんでした。

街なかには、あちこちに小規模な自転車ラックが用意されていて駐輪できるようになっています。

また、国際空港とバンクーバー中心部を結ぶスカイトレインは自転車をそのまま持ち込めるようになっており、自転車用のスペースが設けられています。

環境負荷が低いうえに占有面積が小さくて済む自転車を有効活用しようとする姿勢が垣間見えました。

拙著『プログラマのための文字コード技術入門』(技術評論社刊)の増刷が決まったそうです。これで第5刷になります。

お読みいただいた方や、技術評論社はじめ関係者の皆様、本当にありがとうございます。

3年前に発売された本ですので、飛ぶように売れていくというわけではないのでしょうが、地道に売れているようで嬉しい限りです。

もちろん、必要とする人すべてに本書が行き渡ったということはないでしょうから、これからも新たな読者を得ることを楽しみにしたいと思います。

広告