2013年8月アーカイブ

インド北部ダラムサラ在住の中原一博さんが電子書籍「太陽を取り戻すために チベットの焼身抗議」を公開されました。

この中にJIS第3水準漢字が使われています。

p.8に、「アムド、ンガバ (四川省阿壩藏族羌族自治州阿壩県阿壩)」とあります。この「壩」はJIS第3水準、面区点位置1-15-70にあります。EUCではAFE6、SJISでは8886というコード値になります。私がEUCやSJISというときは、デフォルトでEUC-JIS-2004、Shift_JIS-2004です。

簡体字では「壩」はまた別な形になるようです。

「アムド」というのは、チベットの3つの大きな地域区分のひとつで、北東部にあたります。中華人民共和国政府の行政区分でいう青海省に大体相当しますが、ここで問題になっている地域は四川省になっているようです。アムドのほかの残りの2つはウ・ツァンとカムで、前者は「チベット自治区」に大体相当する中央部、後者は四川省や甘粛省等複数の省に編入されている東部です。上記電子書籍のp.24に、これら3地方の大まかな地図があります。

「ンガバ」というチベット語の地名を中国風に漢字で表記したものが「阿壩」だということなのでしょう。チベットには漢字と全く関係ないチベット文字が昔からあることはいうまでもありません。チベット文字はインド系文字に分類されます。

SKKの第3第4水準漢字辞書では「あば」という読みから「阿壩」に変換することができます。

p.302には、仏教に関連して「薩埵太子」という言葉が見えますが、この「埵」も第3水準です。面区点1-15-51、EUCはAFD3、SJISは8872です。この字は般若心経にも出てきますし、日本の地名や人名にもあります。静岡県に「薩埵峠」があり、法政大学の創立者に薩埵正邦という人がいます。前記SKKの辞書では「さった」から「薩埵」に変換できます。

私は2000年頃からEmacs等でJIS X 0213を利用しており、こうした言語表記におおいに活用しています。また、上記SKKの第3第4水準辞書の成果は他の辞書形式に変換しており、ATOKやAnthyで利用することができます。以前の記事「第3第4水準辞書を使おう!」に記しています。

この前雲海テラスを見てきた星野リゾートトマムですが、ホテルの中を歩いていてオヤと思ったことがありました。売店で花火が売られていたのです。

Path for walk / 散策路

花火。へえ、花火。どこでやるんだろう......と思っていたら、窓の外にはバケツがいくつも積んであって水道が近くにある空いたスペースがある。なるほど、きっとここで花火ができるようになっているのだな。

それで思ったのですが、マンション住まいの都会の子供は花火もなかなかままならないので、ここでやるんだろうか、と。もしかするとそういう面もあるのかもしれません。

都会でできないといえば、ホテルで用意しているアクティビティとして、水生昆虫採集なんていうのもあります。近くに小川があるのでそこでやるんですね。トマムは山の中なので海はありませんが、この星野リゾートの施設として、子供が遊べるプールもある。

Stream with butterburs / 蕗のある小川

そう考えると、「都会の子供の夏休み」をまるごと請け負えるようになっているのだと思い至りました。キャンドル作り体験なんてのが用意されているのも、夏休みの工作を想定してのことかもしれません。

ウェブサイトはかなり家族連れ向きな作りになっているなという印象を最初から持っていましたが、それは伊達じゃなかったわけだと、後から思ったことです。

Eyelashes / まつげ
乗馬体験もできます。

まあ、雲海テラスなんかは大人だけで行ってももちろん楽しめるわけですが。

そして多分、冬休みも請け負ってくれるのでしょう。元々スキーリゾートですからね。

北海道は占冠村の星野リゾートトマムに行ってきました。めあては「雲海テラス」です。

雲海テラスとは、山の上にテラスを設けて、雲海を見ながらコーヒーやスープをいただくことができるというものです。テラスまではゴンドラで行くことができます。冬の間はスキー場として使われている所ですが、夏季にも有効利用しようということでこういうテラスが設けられたのだろうと思います。

朝3時台に起きて、ゴンドラに乗って雲の上へ行きました。

View from Unkai Terrace / 雲海テラスからの眺望

雲海の形は日によって異なりますし、同じ朝の間にも刻々と変化していきます。この日は最初テラス自体が雲の中のような状態でしたが、徐々に雲が下がっていって、朝日が見える頃には眼下に雲海を望む格好になりました。

Unkai Terrace / 雲海テラス

集った人々がテラスから雲海を眺めています。ここで見られる雲海には大きく分けて「十勝産」と「トマム産」があるそうですが、この日のはトマム産のようです。

Unkai fading / 消えてゆく雲海

日が高くなると徐々に雲海が消えていきました。ちなみに画面左3分の1ほどのところにふたつ棒のような影が見えますが、これはホテルです。

北海道の山の上で朝4時台はさすがに気温が低いです。8月でしたが17℃と言っていました。長袖を着てその上にウインドブレーカーを着ていました。うっかり上着を持ってこなかった人は山の上でジャンパーを貸してもらえます。ただ、朝日が上がると割とすぐ暑くなってきました。

テラスのテーブルの上に、雲の仕組みなどを解説したカードが置かれていました。それを眺めていたら、そのカードを作ったという人に声をかけられました。北海道大学の大学院生だそうです。アウトリーチというのだそうですが、科学的な研究の成果を広く社会に知らせるような活動をテーマとしていて、こうした解説を作っては一般の人から感想を聞いて改善していくのだそうです。

雲海というと本格的な登山をしないと見られないような感じがありますが、この雲海テラスは早起きさえすればゴンドラに乗って気軽に行くことができます。いわば、会いに行ける雲海といったところでしょうか。

青空文庫の創設者である富田倫生さんが亡くなったという大変残念なニュースがありました。(多分第一報。また、青空文庫の「そらもよう」2013年8月17日に記載あり)

富田さんの著作活動や青空文庫創設の話などは他に多くの記事があるので、ここでは触れません。

富田さんはその発言の端々から察するに、包摂規準やJIS X 0213の価値をよく理解されていたと私は思います。青空文庫のようなことをやっていればそうなるのは必然ともいえます。テキストを符号化するという、文字コードの最も根本的な利用者であるからです。

活字の形というのは時代によっても、また同時代でも活字の種類によって少しずつ異なることがあります。すると、「この本ではこういう形の活字になっていて文字コード表の例示字形とは少し違いがあるけど、はたしてこの符号位置で符号化していいのか」ということが問題になります。包摂規準はそうした場合の手助けとなります。

JIS X 0208では文字が足りません。青空文庫をやっていればそのことを痛感するでしょう。例えば夏目漱石の『吾輩は猫である』や芥川竜之介の『蜘蛛の糸』といった誰でも知っている作品にも、JIS X 0208にない漢字が使われていて、それらはJIS X 0213の第3・第4水準漢字を使う必要があるのです。

青空文庫の活動で得られた追加すべき文字の用例をJIS X 0213制定作業の際に提出するという形で規格開発に貢献されていましたし、またJIS X 0213の包摂規準の情報を青空文庫のサイトで公開したりしていました。

富田さんは多分、最もJIS X 0213に期待して、また自身でも使おうと試されていた方だと思います。

思い出すのは、2000年頃、JIS X 0213が制定されてまもない時期だったと思いますが、Mac OS 9でJIS X 0213を使おうとして、フォントの変換やら何かの試行錯誤をメーリングリストでやっていたことです。私も少し情報交換に加わっていました。

文字コードをよく理解しており、なおかつよく実践されていた方でもあったと思います。本当に惜しい。

札幌に行ってきました。以前の記事に書いたように、今年の6月から札幌の地下鉄やバス・市電では、札幌市交通局のICカードSAPICAに加えてSuicaやKitaca等の多くのICカードが使えるようになっています。

磁気式プリペイドカードのウィズユーカードがまだ手元に残っていたのですが、ものは試しと、普段首都圏で使っているモバイルSuicaを使ってみました。

改札機にタッチ。普通に使えます。当たり前ですが。

ちょっと気になったのが、地下鉄とバスの乗り継ぎ料金が適用されるのかという点。地下鉄を降りた後でその駅から接続しているバスに乗ると(あるいは逆に、バスから地下鉄に乗り継ぐと)、運賃が何十円か割引されるというものです。札幌の地下鉄にはずっと前からこの制度があります。

乗って降りた後で確認してみたのですが、きちんと割引されているようでした。Webサイトをいくつか見たところ、SAPICAでもSuicaでも同じ扱いのようです。気兼ねなく使って良さそうです。

新千歳空港から札幌市内にJRで行くのには以前からSuicaが使えますし、札幌市内の地下鉄・バスでも不自由なく使えるようになったので、だいぶ楽になりました。

さて、KitacaやSuicaがSAPICAと同じように市内交通に使えるようになった今、SAPICAのメリットって何があるんだろう......と、他人事ながら気になりました。SAPICAでは今のところKitacaやSuicaのエリアで乗車できないので。

どうやら、SAPICAでは乗車料金に応じて所定の割合のポイントが付与されるようです。なるほど、磁気式プリペイドカードでは1000円買ったら10%とかプレミアムがついていたのに、ICカードでそれがなくなるとちょっと損した気分になりますからね。地下鉄・バス・市電の利用がもっぱらであるような人にとっては、使えるエリアの広さよりもポイントの方が優先事項になってもおかしくないでしょう。

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