2011年12月アーカイブ

Sony Readerを買った直後、JIS第3・第4水準漢字が表示できるかを試してみたのですが、あまりにもつまらない結果だったのでブログに書くのもほったらかしにしていました。しかし、年末でもあることだし、折角なので簡単にご報告しておきます。

結論から書くと、Sony Readerはホッケ (JIS第4水準の「𩸽」2-93-44) を食べられません。その他、第3・第4水準もたいがい対応していないようでした。ただ、「ㇷ゚」を表示しようとしたら半濁点のない「ㇷ」になったので、X0213の文字が完全に全滅というわけでもないようです。

Sony ReaderはXMDFやEPUBやPDFといった書籍用のフォーマットのほかにプレーンテキストを表示することもできます。この機能で第3・第4水準を表示できないかと思ったのですが、全く駄目でした。

UTF-8でもShift_JIS-2004でもEUC-JIS-2004でも、どれでも第3・第4水準には対応していませんでした。あまつさえ、4バイトのUTF-8があると文書全体の表示が駄目になるという体たらくです (どうもLatin-1と誤認されているかもしれない)。

以前「電子書籍のための文字コード技術入門」という記事を書いたように、書籍にはJIS X 0208にないJIS X 0213の文字がたくさん現れます。学校の教科書にも、小学校3年でX0208にない文字を習うのを筆頭に、さまざまなJIS X 0213の文字が使われています。つまり学校の電子教材にもJIS X 0213の文字は必須です。ですから、電子書籍端末はすべからくJIS X 0213の文字に対応すべきなのです。

今後、ソフトウェアのアップデートでこの辺も改善されるといいなあ、と期待しておきましょう。

なお、私がテストしたのはSony Readerの初期のモデルPRS-650です。また、本記事のタイトルに関連しては、「Kindleはホッケを食べられるか」という記事も以前に書いています。

三浦半島西海岸

| コメント(0) | トラックバック(0)

冬です。

この時期、関東地方の太平洋岸の方は、空気がすんで晴れることがよくあります。冬型の気圧配置になるほど、そういう傾向があります。

神奈川県の三浦半島は、源頼朝も馬に乗って遊んだという景勝地です。この半島の東側は東京湾、西側は相模湾に面しています。西海岸では、海越しに富士山や江ノ島が見えたりします。

そんな三浦半島西海岸の冬の様子をいくつか写真に撮ってみました。

日没頃の逗子海岸

これは逗子市の逗子海岸から江ノ島と富士山を望む図。逗子は鎌倉のすぐ隣で、三浦半島の根本の方にあたります。この位置からは、富士山と江ノ島が重なって見えます。この写真を撮った日は雲一つない空で、富士山の形がくっきり写りました。

Mt. Fuji and Enoshima island in twilight / 黄昏の富士と江ノ島

日没後はこんな感じ。江ノ島の灯台のところが光っています。

Enoshima Island in twilight / 夕暮れの江ノ島

続いて、葉山町の南端、長者ヶ崎から江ノ島を望む図。長者ヶ崎は相模湾に突き出た岬で、夕景の名所として知られています。

Light on Enoshima / 江ノ島の灯り

江ノ島を拡大するとこんな感じです。

Tateishi Rock / 秋谷の立石

続いては、もっと南、横須賀市の秋谷の立石です。海上の岩と、岸の松の木があたかも絵のような雰囲気を醸し出しています。本当は、岩と松の間に富士山があるのですが、この日は雲に隠れてしまいました。この場所は定番の写真撮影スポットで、夕方に行ったら三脚が並んでいました。

Tateishi Rock / 秋谷の立石

同じ場所で、色合いを変えるとこんな感じ。

三浦半島の海は見て歩くのに適したところだと思います。近くにお住まいの方は、空気のすんだこの時期、散歩してみてはどうでしょうか。

私の本が発売された直後、「印税でウハウハですね」というようなことを言う人がいました。本を書くということにはそういうイメージがつきまとっているのかもしれません。最初に執筆の話が持ち上がったときは私自身にしてからが多少はそういう期待もなかったわけではありません。

しかし、小学校レベルの簡単な算数によって、「ウハウハ」の夢は打ち砕かれることになります。

簡単のため、本の値段が1,000円、印税が10%とします。すると、この本が1冊売れるごとの著者の取り分は100円となるわけです。この本が初版5,000部(と仮定して)を幸運にも売り切ったとすると、著者に入るのは50万円。調査や執筆に1年くらいかけて書いた本から得られるお金がたった50万円だったらどうか。「ウハウハ」には程遠いことが分かるでしょう。しかも実際にはここから税金も持っていかれるわけです。

もちろん、売れれば売れただけ、この額は1次関数にしたがって増えていくわけなので、ハリー・ポッターやドラゴンボールのようにバカ売れすればすごいことになりますが、そんな書き手に自分がなれるのかという話です。

なんだか夢のない話になってしまいましたが、それでも私たちの社会は良い本を必要としています。だから、地味でも良心的な本、調査に手間のかかっている本などは、ぜひ購入して、金銭的に応援するべきだと思うのです。

以前、Sony ReaderでEPUBを読むのを試したときは、英語の文書をテストに使いました。今回は、日本語のものを試してみます。

Sony Readerにはいくつかモデルがあります。私の使っているのは、通信機能のないPRS-650です。もっとも、下に記す情報は、Wi-FiのついたPRS-T1や、それに加えて3G通信機能もついたPRS-G1でも多分同じだと思います。

今回試したのは、達人出版会から無料で入手できる『ケヴィン・ケリー著作選集 1』です。これはPDFでもEPUBでも入手できます。Sony Readerではどちらも読めるので、両方ダウンロードしてみました。

EPUB版をSony Readerで開き、PDF版をPCで開いていると、いくつか違いが目につきます。

ひとつは、図の色です。PDFでは図や写真に色がついているのですが、Sony Readerでは白黒で表示されます。Readerの電子ペーパーの画面が白黒なので仕方ありません。

次に、図の位置です。PDFでは図は中央揃えに配置されているのですが、Readerで表示したEPUBでは左に寄っています。もとのEPUBの記述がそうなのか、あるいは中央揃えになるべく記述されているのにReaderが正しく解釈できていないのか、までは分かりません。EPUBはHTMLとCSSをZIPしたものなので中身を見れば分かるのでしょうが、あえてそこまではしていません。

それから、PDFではページの上部にその章の題が記されているけれどもEPUBでは表示されていないという違いもあります。本を読んでいて「あれ、自分は今どこにいるんだっけ」となったときにこれは助けになるので、あった方がいいと私は思います。EPUBで表示されていないのは、もともとEPUBにはない(あるいは実現できない)のか、それともあるのにReaderがきちんと表示していないのかは、やはり今のところ私には分かりません。

こういう違いが目につくものの、大体においてReaderで読むのに支障はないと思います。私はもう少しで、この本をReaderで読み終えるところです。

ここ30年余りわが国では自転車が歩道に上がるという緊急措置が常態化してしまっているわけですが、さすがにその弊害が無視できなくなり、最近警察庁が自転車は車道という原則に立ち返ろうとしています。これは正常な動きだと思います。

もっとも、車道では自動車がわがもの顔で走っているわけですから、そこに自転車で乗り込んでいくのは、正当な行為とはいえ、少なくとも最初は勇気がいることでしょう。

そこで、自転車が車道を走りやすいように、自転車レーンの整備が求められるわけです。

ところが、いま国内各地で実験的に作られている自転車レーンには設計のよくないものが多いと聞きます。よくない自転車レーンには却って出会い頭の事故を招くなどの問題があります。

では自転車活用の進んでいる各国ではどのような自転車レーンを作っているのでしょうか。そういう問題意識のもとで、下記のページを作ってみました。

YouTubeから世界のいろいろな都市の自転車レーンの動画を集めてきたものです。どうぞご覧ください。

自転車レーンはどうあるべきか、という議論の種になればと思っています。

ただし、乗り物酔いする方は、連続して見るのは避けた方がいいかもしれません。私は少し酔いかけました。

前の記事に記したJIS X 0213の小書きの仮名ですが、PCを買ってきたデフォルトの環境では入力できないかもしれません。これを入力するには、日本語入力プログラムの種類に応じて、いくつかの方法があります。

これらの手段によって入力できる小書きの仮名は、文字コードとしてはUTF-8やEUC-JIS-2004、Shift_JIS-2004といったもので扱うことができます。これからは常にこうした文字コードを使うべきです。

JIS X 0213で追加された仮名にどんなものがあるかは、拙著『プログラマのための文字コード技術入門』のpp. 81-82に記されています。

これで、皆さんも充実した小書き仮名ライフを送ってください。

JIS X 0213ではJIS X 0208に対して仮名文字も追加されています。それらは、アイヌ語や鼻濁音のためのものだったり、また別な理由で追加されたものもあります。

これに含まれる小書きの仮名を活用すると、日本語やアイヌ語以外の言語、例えば韓国語などの発音を仮名で表すのに使うこともできます。

例えば、韓国語の「ハングㇰ」(韓国)、「キㇺチ」(キムチ)、「ピビンパㇷ゚」(ビビンバ)のように、母音を伴わずに子音で終わる閉音節を表すのに、小書きの仮名が使えます。もともとJIS X 0213にこうした小書きの仮名が追加されたのはアイヌ語の閉音節の表記に対応するためですから、こうした韓国語などの表記は本来の用途ではないとはいえ、活用の仕方としては同じことだといえます。

ふざけた使い方としては、なんでも小書きの仮名で書いてしまうお遊びもあります。X0208に含まれる「ぁぃぅぇぉっゃゅょ」などの仮名を濫用して「ぉはょぅ」のような書き方をする遊びがありますが、その手段がぐっと増えるわけです。X0213を使うと、「ゕっぉ、ぃゖぃゖ」とか「ァㇲ、ィヮㇱㇵ ッㇾㇽヵㇱㇻ」のように、今までできなかった文字も小書きにできるようになります。

世の中を見ていると、得てして、真面目な使い方よりも、おふざけ・お遊びの方が幅をきかせたりするようなので、こうした文字もお遊び用途の方が目にすることが多くなるかもしれないと思っています。

北海道の二面性

| コメント(0) | トラックバック(0)

北海道外の人の抱く北海道に対するイメージというのは、ドラマ「北の国から」のような世界というのが多いように思います。広大な大地と豊かな自然。それはそれで間違っていないのですが、一面的であるともいえます。

北海道の中心都市である札幌は、人口約190万人を抱えます。これは全国で5番目、東京以北では最大の規模です。北海道全体の人口が550万人くらいですから、北海道の人の3人に1人にとって、自分の住む北海道とはまず第一に全国有数の大都市札幌であるわけです。道外の人はそんなことを考えたことはないでしょう。ここにイメージの乖離を見ることができます。

都会の札幌と自然の広がるその他地域という、二面性が北海道にはあるわけです。

人口密度にもこの二面性は現れています。Wikipediaの人口密度の項を見ると、北海道全体の人口密度は47都道府県で最も低くなっています。ところが、北海道の中で札幌市を含む地方である石狩振興局(以前の言い方では石狩支庁)の管内は、都道府県との比較で全国9位に位置します。兵庫県と同じくらいの人口密度なのです。更に、政令指定都市の人口密度の比較でいえば、札幌市は、京都市よりやや低く仙台市よりも高い、12番目に位置しています。人口の多い割には人口密度がやや低いとはいえるかもしれませんが、十分な人口密度を持っているといえるでしょう。(なお、札幌市は南区に人の住まない山地を多く抱えているので、それが人口密度の数字を押し下げていると考えられます)

先月、さくらインターネットの石狩データセンターが開所して話題になりましたが、このデータセンターは北海道のこの二面性をうまく活用しているといえるでしょう。広い土地を安く調達できるという点では広大な大地という側面を利用し、一方、札幌に隣接していて人材や交通手段を確保できるという点では札幌の大都市としての側面を利用しているわけです。

以前、首都圏に住んでいるアメリカ人が北海道に旅行に行ってきた話を数人としていたのですが、このときの日本人(非北海道人)の反応が私には興味深く思われました。北海道に行ってきたと聞いて、日本人の方は広かっただろうというようなことを言うのですが、実際に行ってきた当のアメリカ人にはそのコメントがあまりピンとこない様子でした。いや、都会だったけど、というわけです。その反応を日本人の側がまたいぶかしんでいました。このアメリカ人が行ってきたのは札幌だったし、日本人が抱くステレオタイプとしての北海道のイメージを持たずに虚心坦懐にありのままを見てきたので、偏見に毒されることがなかったのです。下手な日本人よりも余程正確に札幌を見ることができたのではないかと私には思えます。

広告