この前Sony Readerを買って、私の電子書籍時代は一気に幕を開けました。
面白がっていろいろ買ったり読んだりしていたのですが、それで、どんな風に使うのか、どんな利点が期待できるのか、できないのか、を少し考えました。
まず期待できる利点の第一は、本を買っても (物理的な) 書棚が圧迫されないことです。私の家の本棚は常に逼迫、というか溢れている状態なので、この利点は大きい。「ちょっとチェックしておきたい」と思う本を書店で見掛けても、「ああでも置き場に困るしな......」という理由で二の足を踏むことがあります。これがなくなるということです。
それから、持ち運びが楽ということが当然いえます。何冊詰め込んでも、大きさも重さも変わらない訳ですから。
あと、使ってみて意外とあるかもと思ったのが、本をどこに置いたか探す手間が減る (のではないか) というのがあります。読みかけの本を読もうとしたときに「あれ、どこに置いたっけかな」となることが私はしばしばあるのですが (単にずぼらなだけか?)、電子書籍端末に全部入っていれば、端末自体をどこかに忘れない限りは、その中に必ず入っているというのは分かりやすい。ただしこれは私がまだ少ない数の本しか入れていないからかもしれません。本の数が増えたときにどうなるか、端末の中で探し辛くなってしまうのかは未検証ですが、Readerは本のタイトルから検索できるので、その機能に頼ることはできる筈です。
さて、期待できないことの筆頭は、長期間の保存だと私は思います。デジタルデータだから劣化しない、みたいな売り文句を電子書籍について見た覚えがありますが、データ自体は劣化しなくとも、データが丸ごと破壊されるとか、フォーマットが古くなって再生できる機械がなくなるとか、DRMのために読めないとか、そういうことは実にリアルに想像できます。クラウド型サービスなんてのがあっても、ビジネス上の理由でサービスが終わったらそれでおしまいです。達人出版会の高橋征義氏は100年残せる仕組みがないといっていますが、100年とまでいわなくとも、今の電子書籍は10年後でさえ怪しいのではないでしょうか。
こういう問題は、なんとかして解決してほしい話ですが、現時点では長期保存が期待できないのは仕方ないという前提で考えるよりないように思います。電子書籍を買うときは、紙の本ほどもたないという心積もりを持つ。将来何らかの理由で読めなくなっても構わないという本しか電子では買わないとか、本当に残したい本は重複して紙でも買うとか、そういうつもりでいるべきだと思っています。
これは技術というよりはビジネスや制度に依存するところの大きい話なので、すぐに解決するのは難しいでしょう。端末の解像度とか性能とか、純技術的な問題というのはそのうち解決されると楽観できますが、ビジネス的制度的な問題というのはそれより解決に時間がかかる。
だから、電子書籍で薔薇色の未来がくるという風に思うよりは、いろいろな問題を納得ずくの上で、自分にとっての利点を最大化できるような使い方を模索すべきものだと思います。