まず何はなくとも、『プログラマのための文字コード技術入門』(技術評論社)。まだの方はこの機会に是非。
......と、これだけで終わるのはいくら何でもあんまりなので、関連する本をいくつか挙げてみましょう。
まずは芝野耕司編著『JIS漢字字典』(日本規格協会)。
のっけから困ったことに、この貴重な書籍は今現在、品切れらしいのです。Amazonでは中古品が買えます。中古はややお高いですが、JIS漢字を知りたい方は是非。新品が欲しい方は、日本規格協会に要望を出すとかになるのでしょうか。
次は、安岡孝一、安岡素子『文字コードの世界』(東京電機大学出版局)。
いかんせん10年前の本なので情報が古いことは否めないのですが、日本以外の各国の文字コードを紹介した本というのはほかにあまり (ほとんど? 全く?)ないので、そういう箇所を見るのにはいいと思います。これも品切れで、中古品になります。安く出ているようです。
次は、小林龍生ら編『インターネット時代の文字コード』(共立出版)。
これも、古いことは古いのですが、Unicode以外の文字コードについてはそんなに問題ない時期ではないかと思います。論集の形をとっています。面白い記事は面白いし、また自分にはあまり興味が持てないというのもあったりするでしょう。私は、書誌データベースの話が気に入りました。この本はAmazonに新品の在庫があるようです。
次。三上喜貴『文字符号の歴史 アジア編』(共立出版)。
上にリンクをつけたものの、激しいことに、Amazonでは新品も中古品も販売されていません。どうにかして入手してください、としかいいようがない。アジア編ということで、インド系の文字やアラビア文字などの処理が紹介されています。各地の情報処理事情なども書かれていて、これは年による変化もあるのでしょうが、これだけ調べられているのはすごいことだと思います。
姉妹編として、安岡孝一、安岡素子『文字符号の歴史--欧米と日本編』(共立出版)。
欧米・日本の文字コード、つまりASCIIやJIS X 0208といったおなじみの文字コード規格の成立過程を非常に丹念に追いかけている本。巻末の文献リストは圧巻。記述が20世紀の最後の年で終わっているので、JIS X 0213の2004年改正までは入っていません。
次は、漢字の字体の理解のための本として、江守賢治『解説 字体辞典』(三省堂)。
困ったことにこれも品切れ、中古品もなし、という状況。復活するまでは、次の本をお読みいただきたい。この『解説 字体辞典』に影響を受けた本です。
気をとりなおして、大熊肇『文字の骨組み』(彩雲出版)。
文字の骨組みは、楷書や明朝体活字といった書体によって変わるものだ、というのがこの本の骨子。良い本です。この本によって文字の常識というものを取り戻してほしいと思います。
最後に、Andrew Deitsch, David Czarnecki、風間一洋(翻訳)『Java国際化プログラミング
』。
これも古い本で中古品しかありません。対象としているJDKのバージョンも古いです。が、国際化の考え方や基本的な技法はそう変わるものでないので、役に立つと思います。
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