大修館書店の「大漢和辞典」では、「しったげきれい」や「しっせき」などの熟語に使われる「しかる」という漢字、口へんに七という字は、3247番にあります。
ところが、Unicodeの漢字のデータを揃えているUnihanデータベースを見ると、大漢和辞典の3247番を参照している文字は存在しません。口へんに匕のように書く「叱」U+53F1は大漢和辞典の3247でなく3248番ということになっています。大漢和辞典ではこの字は「しかる」ではなく、「か」という読みの、「口を開くさま」という意味の字だとされています。また、近頃一部で話題のU+20B9Fという符号位置(口へんに七、「𠮟」)についても、大漢和の3247番への参照はついていません。
なんと、「しかる」という特に珍しいわけでもない字がUnicodeには存在しなかった!
......まあ勿論、単にUnihanデータベースの整備不良なのでしょうけど。
本来は、U+20B9FかU+53F1に大漢和辞典の3247番への参照があるべきでしょう。U+53F1につけていいかどうかは微妙ですが、大漢和の3247番の説明には俗に「叱」の形に作るともあるので、まあいいんじゃないでしょうか。それに、U+53F1の元になっているJIS X 0208の28区24点が「しかる」でないとは考えにくいですし。
Unihanを更によく見ると、読みを記したファイルにはU+53F1の日本語の読みとして「しち」「しつ」「しかる」を掲げているので、大漢和辞典の3248番だという参照とは矛盾しています。3248番だとするのなら読みは「か」でなければならず、あるいはU+53F1が「しかる」という読みだとするのなら大漢和辞典の3247番でなければなりません。
ちなみに、大漢和辞典における3248番の「か」という読みだとする字の説明は、昔の字書の説明を引いているだけで、熟語も用例もありません。現実の言語表記において、「か」という読み、「口を開くさま」という意味として、実際にどれくらい使われた実績があるのかは、大漢和辞典の説明からだけでは想像がつきません。
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