2010年1月アーカイブ

翻訳の誤解

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チベット問題に関してよく、チベット側が求めているのは「高度な自治」だという表現を見かけます。今まではふーんそうなんだと疑っていなかったのですが、実はこの表現には問題があるそうです。下記のブログに説明があります。

チベット語から英語に翻訳されるときに「genuine autonomy」と表現されたものだが、元のチベット語で言われていることは「名実を共にする自治」なのだそうです。

英語になった「genuine」を日本語にするときに「高度な」になったのかもしれませんが、手元の英和辞典でgenuineを「高度な」といっているものはないので、どうして「高度な自治」と日本語でいわれるようになったのか、ちょっとよく分かりません。

英和辞典に載っている「正真正銘の」という語を使えば、幾分本来の意味(上に掲げた「名実を共にする」)に近付くように思えますが、どういうニュアンスで言われているのかは、やはり英語でなしに原文・原語に当たるべきなのでしょう。

英語だけで世界を見ることは時として危険ですらあると思います。これは立場を変えてみれば納得されるでしょう。英語しかできない人が日本情報を海外に流していたとして、そんなものの信頼性は危ういと普通思う筈です。

グローバル化をいうなら、アラビア語、ロシア語、スペイン語、インドネシア語、モンゴル語など、様々な言語を理解する人を増やす必要があるのでしょう。

菅正広『マイクロファイナンス』中公新書を読みました。

マイクロファイナンスといえばバングラデシュのグラミン銀行が有名ですが、実は欧米先進国でも取り入れられていて、貧困層の支援に一役買っている。日本にも必要ではないですか? という話。

日本というのは大体において豊かで、貧困というのはごく一部にすぎないという風に考えられてきたけれども、いやいや実はそうではない、ということの説明に全7章のうちの1章が割かれています。貧困は日本においても克服すべき重要な課題のひとつだということです。

マイクロファイナンスが消費者金融とどう違うか、マイクロファイナンスによって貧困を改善するために政府や企業やあるいは市民がどうかかわるべきか、といったことが論じられています。

実効性のあるマイクロファイナンスを日本で実施するにはよく考えて制度設計する必要があるでしょうし、そもそもマイクロファイナンスが万能でもないでしょうが、注目に価する動きだと思います。

魚へんに長、すなわち「𩸕」という珍しい字は、JIS X 0213の第4水準、面区点番号2-93-57にあります。UnicodeではU+29E15というBMP外の位置にあります。長崎県は五島列島にある𩸕網代(きびなごあじろ)という地名に使われる字です。この地名は「JIS漢字字典」にも載っています。

Webに、この字が実際に使われている用例の画像がありました。下記のページに画像があります。

また、長崎新聞のWebサイトに、「𩸕」を外字扱いして書かれた記事があります。「〓網代(きびなごあじろ)」のように書き、「【編注】〓は魚ヘンに長」と注釈しています。JIS第3・第4水準が使えれば外字扱いする必要がなかったのに、残念ですね。

個人のWebサイトでも、この字が使えれば使っていた筈のページがあります。例えばここここです。

私の住む南関東から五島列島に行くのは大変なので、もし行く方がいたら現地調査してきてWebで公開していただければと思います。

なお、SKKではJIS第3・第4水準漢字辞書を使うと、「きびなごあじろ」から「𩸕網代」が変換できます。

週末のお楽しみとして、久保田利伸の久々のシングル「Tomorrow Waltz」を買ってきました。実は来月発売のアルバム「Timeless Fly」にはこのシングル収録3曲のうち2曲が収録されるので、今買うのはどうかとも思ったのですが、買うことには単に音楽を聴く以上の何かがある気がします。

収録曲は「Tomorrow Waltz」「STAR LIGHT」「ooh wee Rida」の3曲。それぞれ趣向が違うので、人によってどれを好むか異なると思います。一番一般受けしそうなのがTomorrow Waltzでしょうか。これはテレビドラマの主題歌としても使われています。

私が一番気に入ったのは2曲目のSTAR LIGHT。目茶苦茶格好いいです。なんでもマイケル・ジャクソンへのオマージュなのだとか。

ミュージックビデオというものにこれまで殆ど興味が無かったのですが、Regina Spektorの「Fidelity」のミュージックビデオを観て大変気に入りました。

気に入ったあまり、このビデオをiTunes Storeで購入してしまいました。YouTubeで見られるのなら買わなくてもと思うのですが、買うことには単に映像を視聴する以上の何かがある気がします。

ついでに紹介しておくと、この曲が入っているアルバムは「Begin to Hope」。他の曲も大変素敵です。Fidelityが気に入った方はこちらも是非。

円山動物園では写真だけでなく動画も撮ってきました。元気に動き回っているのが分かると思います。

動物とは動く物。動画に撮ると、いきいきした様子が伝えられて良いですね。

ただ、動物の動画を撮ると、いつまでカメラを回していればいいのか判断に迷います。この動画は倍以上撮っていたのを編集して短くしました。

ホッキョクグマその1 正月休みに札幌の円山動物園に行ってきました。冬といえばホッキョクグマ。雪のある方が見栄えがする動物です。いま円山動物園には子熊2頭がいて、親子で人気を集めています。少し前までは本当に小さかったようですが、見に行ったときは既に結構体が大きくなっていました。でも振る舞いは子供。ぽてぽて転がったり、物で遊んだりしています。

寒い季節の方が元気なのか、盛んに動き回ったり、あるいはポーズを取ったりしてくれて、愛嬌を振りまいていました。写真の撮り甲斐もあるというものです。が、動物のいいショットを撮るのはなかなか難しいとも思いました。いつどう動くのか分かりませんからね。

ホッキョクグマその2 聞いたところでは、子熊2頭はいずれ他の動物園に引っ越してしまうそうで、冬に見られるのは今季限りだそうです。見たい人は早めに行くと良いでしょう。ちなみにこの親子以外にもホッキョクグマはいます。ホッキョクグマ以外の熊もいるのですが、見に行ったときは大人しくしていて、一番人だかりができていたのはこの親子でした。

愛媛県松山市の𧃴川(つづらかわ)の「𧃴」の字は、JIS第3水準、面区点番号1-19-75です。Unicodeには元々なくて、CJK統合漢字拡張Bの一部として追加されたものです。U+270F4にあります。UTF-16ではサロゲートペア、UTF-8では4バイトの領域を処理できるプログラムでないと扱えません。

この字は、「つづら川」などとしてWebで検索すると、結構需要のあることが分かります。この地名を冠したトンネルがあるためのようです。𧃴川トンネルの写真もあります。ばっちり「𧃴」の字が写っています。

(Firefoxのルビ拡張では、「𧃴川」にルビタグで「つづらかわ」とルビをふったら𧃴の字が正しく表示されなかったので、ルビをやめて括弧書きにしました。BMP外の文字は何かと不具合があるようです)

NHKの「世界ふれあい街歩き」でJIS第3水準漢字を見ました。最近たてつづけに第3・第4水準漢字をテレビで見ます。

中国・四川省の都市、閬中(ろうちゅう)の「閬」1-93-50です。

地上デジタルテレビに表示される番組情報画面では「閬」の字が出ないのか、平仮名で「ろうちゅう」と書いて、門の中に良、といった説明書きをしていました。

NHKのドラマ「とめはねっ! 鈴里高校書道部」でJIS第3水準漢字が映っていました。

北宋の書家、米芾(べいふつ)の「芾」、1-90-69です。複雑な字ではないので、言われなければ第3水準だとは気付かないかもしれませんね。

SKKの第3・第4水準漢字辞書では、「べいふつ」という読みから変換できます。

テレビにも案外JIS第3・第4水準漢字が出てくるものだなあと思います。

TBSの朝のバラエティ番組「はなまるマーケット」にJIS第4水準漢字が映っていたことを知りました。

蜾蠃(すがる)」という字だったようです。広辞苑や大辞林にも載っている言葉ですが、ジガバチの古名だそうです。どちらも第4水準漢字です。SKKのJIS第3・第4水準漢字辞書では「すがる」という読みから変換可能です。ついでに「蜾蠃(すがる)少女(おとめ)」も入っています。大辞林によると、「ジガバチのように腰の細い、しなやかな少女」とのことです。

何週間か前のテレビ朝日のクイズ番組「Qさま!!」だったと思いますが、 JIS第4水準漢字がクイズに出題されていたのを見ました。

「𩸽」という字の読みを答えさせるものです。この字はホッケと読みます。 出演者が正解していたので、漢字に詳しい人にはよく知られているのでしょう。

「𩸽」の字はJIS X 0213では2面93区44点にある第4水準漢字です。Unicode ではU+29E3Dにあります。符号位置から分かるように、BMPではなく、面02にあ る字です。BMP外の字は、常用漢字がらみで話題の「𠮟」ばかりでなく、テレビ のクイズ番組の画面に映るようなものにも存在するということになります。

自転車の保険

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自転車に乗って歩くと、人に怪我をさせてしまうリスクがどうしても発生します。

もちろん、クルマの事故と比べれば深刻な結果に至る可能性はずっと低いでしょう。それに、車道を走っていれば歩行者とすれ違う機会はぐっと減ります。

とはいえ、歩道と車道が分離されていない道路を走ることだってありますし、サイクリングロードに歩行者が歩いていたりもします。そして歩行者との接触事故となれば、状況によっては歩行者に後遺症が残ったり、最悪死亡したりします。

そこで、自転車の保険というものが存在します。自分が怪我を負ったときの傷害保険と、他人に怪我を負わせたときの賠償責任保険とがあります。いま問題にしているのは専ら後者です。

私の知る限り、選択肢は3種類ほどです。

ひとつは、保険会社のメニューにある自転車専用の保険。ただし、これは廃止が相次いでいて、もうほとんど残っていないようです。

次は、TSマークの保険というもの。自転車を整備士に整備してもらったときにTSマークというのを貼ってもらうと、以後1年間は傷害保険と損害賠償保険がついてくるというものです。賠償の限度額は2000万円。果たして十分なのか、ちょっと自信が持てません。勿論何もないのとは雲泥の差ですが...。

3つ目は、保険会社の個人賠償責任保険というメニュー。これは社会生活一般における損害賠償の保険です。飼い犬が他人を嚙んで怪我を負わせたといったような、自転車以外の内容も広く含みます。

これらのどれかの保険に入るべきでないかと、前から気になっていたのですが、この度、個人賠償責任保険に入ることで懸案を解決しました。ちょっと安心。

ただし、対歩行者の事故が近年増えているとはいえ、自転車事故で圧倒的に多いのは8割以上を占める対自動車の事故だということ(参考: 警察庁)は心に留めておいて良いでしょう。

私は自転車に乗るときには常にヘルメットを被っています。職場へも自転車で通っているので、出勤時にはヘルメットを被っていて、自転車を降りたらヘルメットを手に持って建物に入ります。

出勤時、自転車のヘルメットを持って歩いていたら部長と出食わしました。

ヘルメットを見た部長曰く、「お、自転車? なんか本格的そうだねー」。いえいえ全然。

ヘルメットは、以前はサイクリングロードに行くときだけ被ってたんですが、街中の方が危険じゃないかってあるとき気付いたんですよ。「それ正解」と部長。

日本だと被ってる人あまりいませんけど、オーストラリアでは義務付けられてるそうですよ。

「日本てそういうとこ成熟してないよねー」。

成熟という言葉にハッとしました。核心を一言で言い表しているのではないか。

自転車のヘルメットを被っていさえすれば成熟しているのかといえば、そう単純な話ではないかもしれない。でも、ヘルメットを一種の媒介として、我が国の社会の未成熟なところが見えているのではないか。単にヘルメットだけでなく、自転車交通のあり方の問題が背景にあって、咄嗟に「成熟」という言葉が口をついて出てきたのではないか。

軽車両でありながら歩行者の延長のようないいかげんな扱いがされていて、そのことが歩行者に危害を加える事故につながっている一方、行政や法律も市民の意識もなかなか改善がすすまない状況。未成熟というほかないのではないか。

夜、家に帰ってきた後。テレビを見ていたら、ペットブームの裏にある問題の話をしていました。日本ではなんと毎年30万匹もの犬や猫が殺処分されているのだとか。

一方、ドイツでは殺処分というのはないのだそうです。飼えなくなったペットは民間の施設が一旦引き取って、住むところを与え、別の新たな飼い主が引き取っていくのだとか。施設の運営費はなんと企業や個人の寄付でまかなわれているそうです(全額かどうかはわかりませんが)。

そもそも、ドイツでは犬を飼うのに税金がかかったり、飼っていける余裕があるかどうかなどをチェックされるということなので、いい加減な気持ちで飼い始める人が少ないのかもしれません。

これも「成熟」の違いだよなあ、と思わざるを得ません。

日本社会はまだまだ成熟する必要がある。成熟というのは、経済発展とかじゃなくて、むしろそれ以外の大事なことに目を向けることなのではないか。という気がします。

新聞社のニュースサイトで第3水準漢字を見ました。

国際赤十字・赤新月社連盟(本部ジュネーブ)の近衛忠●(=火へんに軍)会長(70)=

(MSN産経ニュース、【ハイチ大地震】「15年前の恩返し」日本の医療団が出発)

火へんに軍、すなわち「煇」は、JIS X 0213の1-87-51にあります。名前の読みはこの記事には書かれていませんが、「煇」自体は人名としては「あき」とか「てる」とかと読むようです。

閩の字

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JIS第3水準の「(びん)」(1-94-49)は、様々な漢字と結び付いて造語になる、造語力の強い字です。

今でいう中国の福建省の方を指す地名ですが、漢和辞典の「新字源」によると元々はその地方の種族名を指したらしいです。唐の滅んだ後の五代十国時代には「閩」という名の国が成立したこともあります。この字には閩南、閩東のように方角をつけることもあれば、方角のついた地名にさらに「語」をつけて「閩南語」のように造語することもあります。

SKKの辞書を編集していると、こうした造語力のある字については、どこまで単語として登録すべきか悩むことがあります。まあ、あまり悩まずに、使用頻度の高いものを入れていけば良いのでしょうが、第3水準ともなると元々頻度が高くないので、判断はかなり主観的なものにならざるを得ないと思います。

とりあえず今回は「閩東」と「閩語」を追加しました。

日経のWEB GOETHEのページに、目立たないように第4水準漢字がありました。「Photograph=●(さんずいに首=みなもと) 忠之」という記載です。外字扱いにしていますが、「渞」という字はJIS第4水準、2面78区78点にあります。EUC-JIS-2004やShift_JIS-2004やUTF-8などでは表現可能です。

この(みなもと)という名字は「JIS漢字字典」にも載っています。SKKのJIS第3・第4水準漢字辞書にも入っています。

先日、新千歳空港で羽田行きの飛行機に乗ろうとしたのですが、降雪のため欠航してしまいました。

代わりの便が確保できれば良かったのですが、正月のUターンラッシュのピークだったため、当日も翌日も既にいっぱい。仕方ないので、翌日に電車で東京へ向かうことにしました。

札幌から東京まで鉄道でいくとなると、まず札幌から函館まで特急で行き、函館で別の特急に乗り換えて八戸まで。八戸からは東北新幹線で行けます。

北海道の地理に不案内な人の中には、札幌と函館が近いと勘違いしている人がいるのですが、最速の特急でも3時間かかります。私が乗ったのは3時間半くらいかかりました。

トータルで、列車に乗っている時間は、実に11時間に及びました。いやはや疲れました。移動の日がまるまる潰れたのは勿論のこと、飛行機に乗れなかった日も含めれば、1日半から2日近く費したことになります。

計画されている北海道新幹線が札幌まで開通すれば、札幌から東京まで4〜5時間程度で行けるようになるはずです。この差は大きい。

北海道は雪で飛行機が飛ばなくなることがあるので、代替手段として新幹線があるととてもいいと思います。大雪になったら新幹線だってとまってしまうのではないかという気もしますが、そこは程度問題で、無いよりはあった方が混乱が少なくて済むのだろうと思います。

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